
ホーム > 砂糖 > 砂糖の国際需給・需給レポート > 3 世界の砂糖需給に影響する各国の動向(2025年2月時点予測)
最終更新日:2025年3月10日
2024/25年度のサトウキビ生産量はやや減少見込み
2024/25年度(4月〜翌3月)のサトウキビ収穫面積は、891万ヘクタール(前年度比6.0%増)とかなりの程度増加が見込まれている(表)。一方、サトウキビ生産量は、主産地である中南部地域の干ばつや火災の影響を受け、6億7551万トン(同5.3%減)とやや減少が見込まれている。現地報道によれば、中南部地域ではほぼすべての製糖工場で24/25年度のサトウキビの圧搾を終えている。
砂糖生産量は、干ばつや火災によるサトウキビの減産を背景に、4690万トン(同4.9%減)とやや減少が見込まれている。砂糖輸出量は、インド産砂糖の輸出量減少が見込まれる中、引き続き国際市場でのブラジル産砂糖に対する堅調な需要が期待されるものの、減産を背景に3653万トン(同3.0%減)とやや減少が見込まれている。
2024/25年度の砂糖輸出量は大幅な減少見込み
2024/25年度(10月〜翌9月)のサトウキビ収穫面積は、515万ヘクタール(前年度比7.1%減)とかなりの程度減少が見込まれている(表)。サトウキビ生産量は、干ばつと一部地域で発生した赤腐病(red rot)(注1)の影響により、4億1270万トン(同7.2%減)とかなりの程度減少が見込まれている。
砂糖生産量は、サトウキビの収穫量減少とエタノールへの転用が進んだことから、2963万トン(同14.6%減)とかなり大きく減少が見込まれている。砂糖輸出量は、砂糖の減産や輸出制限の継続により、362万トン(同17.4%減)と大幅な減少が見込まれている。
インド政府は25年1月、国内の余剰在庫の解消などを目的に100万トンの砂糖輸出を許可した(注2)ことで、輸出量は前月予測から上方修正された。しかし、一部報道によると、現在の輸出割当量の消化率は5割程度であり、国内の工場閉鎖や生産量減少が消化速度を鈍化させているとされている。
(注1)真菌の感染によって引き起こされる病気であり、茎の内部が腐り、赤色に変色する。サトウキビの単収や砂糖の回収率に深刻な影響を及ぼすとされている。
(注2)詳細については、2025年1月24日付け海外情報「インド政府が100万トンの砂糖輸出を許可(インド)」<https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_004013.html>をご参照ください。
2024/25年度の砂糖輸入量は大幅な減少見込み
2024/25年度(10月〜翌9月)のサトウキビの収穫面積は、118万へクタール(前年度比7.3%増)とかなりの程度増加が見込まれている(表)。サトウキビ生産量は、主産地である広西チワン族自治区と雲南省の天候が比較的安定していたことなどから、7553万トン(同3.3%増)とやや増加が見込まれている。
てん菜の収穫面積は、生産者が需要や価格の優位性から大豆やトウモロコシなどの競合作物から転換したことで、22万ヘクタール(同29.3%増)と大幅な増加が見込まれている。てん菜生産量は、収穫面積の増加と良好な生育状況により、1178万トン(同25.7%増)と大幅な増加が見込まれている。
砂糖生産量は、原料作物の増産を背景に1160万トン(同7.7%増)とかなりの程度増加が見込まれている。砂糖輸入量は、引き続き国内の需給ギャップ是正のために一定の輸入量が予想されているものの、国内の生産見通しが改善していることから、520万トン(同30.5%減)と大幅な減少が見込まれている。