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3 世界の砂糖需給に影響する各国の動向(2025年4月時点予測)

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最終更新日:2025年5月9日

3 世界の砂糖需給に影響する各国の動向(2025年4月時点予測)

2025年5月



 

2025/26年度のサトウキビ生産量はやや減少を見込むも、砂糖生産量はわずかに増加
 
2025/26年度(4月〜翌3月)のサトウキビ収穫面積は、1月から3月の降水量が平均を下回ったことや圃場(ほ じょう)の更新により、874万ヘクタール(前年度比1.6%減)とわずかに減少が見込まれている(表)。サトウキビ生産量は、前年度に主産地の中南部地域で発生した干ばつや火災の影響を受け、6億4250万トン(同5.2%減)とやや減少が見込まれている。

 砂糖生産量は、サトウキビが減産見込みであるものの製糖企業がサトウキビの砂糖への仕向け割合を増加させるとの見通しから、4764万トン(同1.0%増)とわずかに増加が見込まれている。砂糖輸出量は、インド産砂糖の輸出量減少が見込まれる中、引き続き国際市場でのブラジル産砂糖に対する堅調な需要が期待され、3636万トン(同0.3%減)と前年度並みが見込まれている。



 

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2024/25年度の砂糖生産量は大幅に、輸出量はかなりの程度減少する見込み
 
2024/25年度(10月〜翌9月)のサトウキビ収穫面積は、主産地で競合作物への転作などから503万ヘクタール(前年度比9.3%減)とかなりの程度減少が見込まれている(表)。サトウキビ生産量は、干ばつと一部地域で発生した赤腐病(red rot)(注1)の影響により、3億9470万トン(同11.3%減)とかなり大きく減少が4 日本の主要輸入先の動向(2025年3月時点予測)見込まれている。

 砂糖生産量は、サトウキビの減産とエタノールへの転用により、2795万トン(同19.4%減)と大幅な減少が見込まれている。主産地のマハラシュトラ州では3月末時点で多くの製糖工場の操業が終了し、ウッタル・プラデーシュ州では57工場が操業を続けているが、両州での砂糖生産量は前年度を下回ると見込まれている。砂糖輸出量は、砂糖の減産や輸出制限の継続により、397万トン(同9.3%減)と大幅に減少した前年度からさらにかなりの程度の減少が見込まれている。インド政府は25年1月、国内余剰在庫の解消などを目的に100万トンの砂糖輸出を許可した(注2)ことで、輸出量は前月予測から上方修正された。現地報道によると、4月8日までに100万トンの輸出割当量のうち、28万7000トンがアフリカやアジア地域に輸出されている。

(注1)真菌の感染によって引き起こされ、茎の内部の腐敗や褐変により、サトウキビの単収や砂糖の回収率に深刻な影響を及ぼすとされる。
(注2)詳細については、2025年1月24日付け海外情報「インド政府が100万トンの砂糖輸出を許可(インド)」<https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_004013.html>をご参照ください。
 



 

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2024/25年度の砂糖輸入量は大幅な減少見込み
 2024/25年度(10月〜翌9月)のサトウキビの収穫面積は、118万へクタール(前年度比9.0%増)とかなりの程度増加が見込まれている(表)。サトウキビ生産量は、主産地である広西チワン族自治区での気温上昇と降雨不足が続いていることから、7166万トン(同2.0%減)とわずかに減少が見込まれている。

 てん菜の収穫面積は、生産者が需要や価格の優位性により、大豆やトウモロコシなどの競合作物から転換したことで、22万ヘクタール(同30.6%増)と大幅な増加が見込まれている。てん菜生産量は、収穫面積の増加と良好な生育状況により、1350万トン(同43.9%増)と大幅な増加が見込まれている。

 砂糖生産量は、原料作物の増産を背景に1170万トン(同8.6%増)とかなりの程度増加が見込まれている。砂糖輸入量は、引き続き国内の需給ギャップを埋めるために一定の輸入量が予想されているものの、国内の生産見通しが改善していることから、499万トン(同33.3%減)と大幅な減少が見込まれている。
 



 

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