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砂糖類の国内需給

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最終更新日:2025年5月9日

砂糖類の国内需給

2025年5月

調査情報部

1 需給見通し

 農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。令和7年3月に公表した「令和6砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第3回)」の概要は、次の通り。
 
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(1)砂糖の消費量

 令和6砂糖年度(10月〜翌9月)の砂糖の消費量は、178万7000トン(前年度比0.6%増)と見通している(表1)。内訳を見ると、増加の要因として引き続き好調なインバウンド需要による増加などが見込まれる一方で、減少の要因として物価高、低甘味嗜好(し こう)や人口減少などの影響が想定されることから、分みつ糖の消費量は175万トン(同0.4%増)と見通している。含みつ糖の消費量は近年の消費動向などを勘案し、3万7000トン(同5.7%増)と見通している。
 
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(2)砂糖の供給量

 令和6砂糖年度の砂糖の供給量は、180万5000トン(前年度比3.2%増)と見通している。内訳を見ると、分みつ糖の供給量は178万8000トン(同3.1%増)、含みつ糖は1万7000トン(同13.3%増)と見通している。

 国内産糖(分みつ糖)の供給量は、てん菜糖については、令和6年産のてん菜の作付面積が前年産と比べ4.4%(2234ヘクタール)減少した。作柄については、生育期間中の気温が総じて平年より高く推移し、北海道内の各地で褐斑病(かっ ぱん びょう)の発生が確認されるなど、根中糖分の低下が見られる一方で、1ヘクタール当たりの収量は平年を大きく上回ったことから、産糖量は54万トン(前年産比20.7%増)、供給量は53万9000トン(精製糖換算〈以下同じ〉。前年度比20.6%増)と見通している。甘しゃ糖については、6年産のサトウキビの収穫面積が前年産に比べ2.0%(450ヘクタール)増加した。作柄については、一部の島においては台風などの影響があったものの、全体としては気象条件に恵まれ、平年を上回る生育と見込んでいる。産糖量は14万6000トン(前年産比8.8%増)、供給量は13万9000トン(前年度比8.8%増)と見通している。

(3)加糖調製品の需給

 令和6砂糖年度の加糖調製品の消費量は、昨年、一昨年の大幅減少からの輸入量の戻りがあると見込まれることから、36万3000トン(前年度比1.7%増)と見通している(表2)。また、供給量は、消費量に見合った量が供給されると見通している。

(4)異性化糖の需給

 令和6砂糖年度の異性化糖の消費量は、近年の消費動向を踏まえ、78万トン(前年度比1.0%増)と見通している(表3)。また、供給量は、消費量に見合った量が供給されると見通している。



 
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2 輸入動向

【粗糖の輸入動向】
2月の輸入量は前年同月から大幅に増加
 
財務省「貿易統計」によると、2025年2月の甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード 1701.14−110)および甘しゃ糖・その他(同1701.14−200の豪州)の輸入量は、8万5905トン(前年同月比2.1倍、前月比84.7%増)であった(図1)。

 輸入先は甘しゃ糖・分みつ糖についてはタイ、甘しゃ糖・その他については豪州で、国・地域別の輸入量は次の通りであった(図2)。

 タイ
 1万2972トン(前年同月比99.9%増、前月輸入実績なし)

 豪州
 7万2933トン(同2.2倍、前月比56.8%増)
 







 2025年2月における甘しゃ糖・分みつ糖の1トン当たりの輸入価格は8万7592円(前年同月比16.4%安、前月輸入実績なし)(図3)、甘しゃ糖・その他の豪州からの高糖度原料糖の1トン当たりの輸入価格は、8万9957円(同4.0%高、前月比2.4%安)であった(図4)。




 

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【含みつ糖の輸入動向】
2月の輸入量は前年同月から大幅に減少
 
財務省「貿易統計」によると、2025年2月の含みつ糖(HSコード 1701.13−000、1701.14−190)の輸入量は、710トン(前年同月比44.5%減、前月比4.6倍)であった(図5)。

 輸入先はタイ、ボリビア、中国、フィリピンおよびインドで、国・地域別の輸入量は次の通りであった(図6)。

 タイ
 612トン(前年同月比39.1%減、前月比11.3倍)

 ボリビア
 51トン(前年同月および前月輸入実績なし)

 中国
 30トン(前年同月比89.1%減、前月比36.4%増)

 フィリピン
 15トン(前年同月輸入実績なし、同6.3%減)

 インド
 2トン(前年同月輸入実績なし、同60.0%減)







 


 2025年2月の1トン当たりの輸入価格は、18万6445円(前年同月比9.5%高、前月比31.3%安)であった(図7)。

 国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

 タイ
 17万4693円(前年同月比3.0%高、前月比2.6%安)

 ボリビア
 20万5275円(前年同月および前月輸入実績なし)

 中国
 29万5133円(前年同月比71.6%高、前月比53.9%高)

 フィリピン
 31万7733円(前年同月輸入実績なし、同41.1%高)

 インド
 37万9500円(前年同月輸入実績なし、同7.4%高)
 

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【加糖調製品の輸入動向】
2月の加糖調製品の輸入量は前年同月からかなりの程度増加
 
財務省「貿易統計」によると、2025年2月の加糖調製品の輸入量は、2万7319トン(前年同月比8.2%増、前月比11.1%減)であった(図8)。

 品目別の輸入量は、表4の通りであった。
 



 

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3 異性化糖の移出動向

3月の移出量は前年同月からわずかに減少
 
2025年3月の異性化糖の移出量は、7万26トン(前年同月比1.4%減、前月比21.8%増)であった(図9)。

 同月の種類別の移出量は、次の通りであった(図10)。

 果糖含有率40%未満
 334トン(前年同月比13.0%減、前月比18.8%増)

 同40%以上50%未満
 1万8062トン(同2.9%減、同14.6%増)

 同50%以上60%未満
 5万722トン(同0.7%減、同24.0%増)

 同60%以上
 909トン(同9.4%減、同71.0%増)




 

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4 価格動向

【市場価格】
異性化糖は前月から4円程度値上がり
 
3月の糖種別・地域別の砂糖価格(日経相場)は、次の通りであった。

 上白糖(大袋)
 東京
 1キログラム当たり249〜251円

 大阪
  同249〜251円

 名古屋
 同252円

 関門
 同254円

 上白糖(小袋)
 東京
 1キログラム当たり261〜265円

 大阪
 同264〜265円

 本グラニュー糖(大袋)
 東京
 1キログラム当たり254〜256円

 大阪
 同254〜256円

 名古屋
 同257円

 ビート・グラニュー糖(大袋)
 東京
 1キログラム当たり249〜251円

 大阪
 同249〜251円

 名古屋
 同250円

 3月の異性化糖の価格(日経相場、大口需要家向け価格、東京、タンクローリーもの、JAS規格品、水分25%)は、次の通りであった。

 果糖分42%もの
  1キログラム当たり164〜169円

 果糖分55%もの
 同170〜175円

【小売価格】
3月の上白糖小袋の平均小売価格は270.3円
 
マーチャンダイジング・オンRDSPOS(全国3800店舗)によると、スーパーにおける3月の上白糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、270.3円(前年同月差18.2円高、前月差1.6円高)であった。最も高かったのは北海道で、最も安かったのは関東などであった。

 同月の地域別(注)の平均小売価格は、次の通りであった(表5)。

 (注)地域の内訳は、次の通りである(以下同じ)。
   関東など:茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県
   首都圏:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県
   中部:新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県
   関西:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県
 

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3月のグラニュー糖小袋の平均小売価格は326.9円
 
マーチャンダイジング・オンRDSPOS(全国3800店舗)によると、スーパーにおける3月のグラニュー糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、326.9円(前年同月差16.0円高、前月差0.9円高)であった。最も高かったのは東北で、最も安かったのは関西であった。

 同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表6)。

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3月の三温糖小袋の平均小売価格は308.1円
 
マーチャンダイジング・オンRDSPOS(全国3800店舗)によると、スーパーにおける3月の三温糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、308.1円(前年同月差17.4円高、前月差1.2円安)であった。最も高かったのは北海道で、最も安かったのは関西であった。

 同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表7)。

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【支出金額および購入数量】
2月の砂糖の支出金額は前年同月からかなりの程度下落
 
総務省「家計調査」によると、2025年2月における1世帯(二人以上)当たりの支出金額は82円(前年同月比6.8%安、前月比7.9%高)であった(図11)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、250グラム(同5.3%減、同15.2%増)であった(図12)。
 



 

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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
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