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最終更新日:2025年8月12日
ニューヨーク粗糖先物相場の動き(6/2〜7/10)
〜余剰見通しから4年ぶりに15セント台まで下落するも、主産地での供給懸念などを受け上昇〜
2025年6月のニューヨーク粗糖先物相場(7月限)の推移を見ると、2日はインド産砂糖の増産見通しで1ポンド当たり16.88セント(注1)をつけた。3日以降は砂糖の余剰見通しから下落傾向となり、9日は原油高(注2)などにより同16.67セントと値を上げたものの、10日以降は再び下落基調となり、13日は同16.13セントをつけた。16日はレアル高(注3)により同16.52セントと反発したものの、世界的な砂糖の余剰見通しから下落を続け、18日には4年ぶりとなる同15セント台をつけた。20日は主要生産国であるパキスタンの不作に伴う粗糖の輸入計画から上昇したものの、世界的な余剰見通しに加えて原油安が重なり、24日は同15.77セントをつけた。25日以降は、余剰見通しの中で原油高やブラジル産砂糖の供給懸念などから上下し、30日は同15.48セントで納会した。
10月限に切り替わった7月は5月限の流れを受け、2日は同15.58セントをつけたが、3日はブラジルの主要生産地域の降霜発生により、同16.38セントと上昇した。7日以降はインドでのモンスーンの早期到来などが砂糖増産見通しの材料となったことから下落に転じ、8日は16.13セントをつけた。9日はパキスタンやフィリピンの砂糖輸入の発表から砂糖の供給懸念が高まり上昇したものの、10日はドル高で下落し、同16.26セントをつけた。
(注1)1ポンドは約453.6グラム、1米セントは1米ドルの100分の1。
(注2)一般に、原油価格が上昇すると、石油の代替燃料であるバイオエタノールの需要も増加する。バイオエタノールの需要増加により、その原料作物(サトウキビ、てん菜など)のバイオエタノール生産への仕向けが増える一方、それらから生産される食品(サトウキビの場合は砂糖)の生産・供給が減ると想定される。食品用途仕向けの度合いが小さくなるほど需給がひっ迫し、当該食品の価格を押し上げる方向に作用する。
(注3)粗糖は米ドル建てで取引されるため、米ドルに対してレアルが上昇すると、相対的にブラジル産粗糖の価格競争力が弱まる。世界最大の砂糖輸出国ブラジルの輸出意欲が低下すると、需給のひっ迫につながることから、価格を押し上げる方向に作用する。