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砂糖類の国内需給

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最終更新日:2025年8月12日

砂糖類の国内需給

2025年8月

調査情報部

1 需給見通し

 農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。令和7年6月に公表した「令和6砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第4回)」の概要は、次の通り。
 
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(1)砂糖の消費量

 令和6砂糖年度(10月〜翌9月)の砂糖の消費量は、179万4000トン(前年度比1.0%増)と見通している(表1)。内訳を見ると、増加の要因として引き続き好調なインバウンド需要による増加などが見込まれる一方で、減少の要因として物価高、低甘味嗜好(し こう)や人口減少などの影響が想定されることから、分みつ糖の消費量は175万6000トン(同0.8%増)と見通している。含みつ糖の消費量は近年の消費動向などを勘案し、3万8000トン(同8.6%増)と見通している。
 
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(2)砂糖の供給量

 令和6砂糖年度の砂糖の供給量は、182万4000トン(前年度比4.3%増)と見通している。内訳を見ると、分みつ糖の供給量は180万6000トン(同4.2%増)、含みつ糖は1万7000トン(同13.3%増)と見通している。

 国内産糖(分みつ糖)の供給量は、てん菜糖については、令和6年産のてん菜の作付面積が前年産と比べ4.4%(2234ヘクタール)減少した。作柄については、生育期間中の気温が総じて平年より高く推移し、北海道内の各地で褐斑病(かっぱんびょう)の発生が確認されるなど、根中糖分の低下が見られる一方で、1ヘクタール当たりの収量は平年を大きく上回ったことから、産糖量は54万トン(前年産比20.7%増)、供給量は54万トン(精製糖換算〈以下同じ〉。前年度比20.7%増)と見通している。甘しゃ糖については、6年産のサトウキビの収穫面積が前年産に比べ2.0%(450ヘクタール)増加した。作柄については、一部の島においては台風などの影響があったものの、全体としては気象条件に恵まれ、平年を上回る生育と見込んでいる。産糖量は15万トン(前年産比12.4%増)、供給量は14万4000トン(前年度比12.4%増)と見通している。

(3)加糖調製品の需給

 令和6砂糖年度の加糖調製品の消費量は、昨年、一昨年の大幅減少からの輸入量の戻りがあると見込まれることから、36万8000トン(前年度比3.1%増)と見通している(表2)。また、供給量は、消費量に見合った量が供給されると見通している。

(4)異性化糖の需給

 令和6砂糖年度の異性化糖の消費量は、近年の消費動向を踏まえ、77万4000トン(前年度比0.3%増)と見通している(表3)。また、供給量は、消費量に見合った量が供給されると見通している。



 
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2 輸入動向

【粗糖の輸入動向】
5月の輸入量は前年同月から大幅に減少
 
財務省「貿易統計」によると、2025年5月の甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード 1701.14-110)および甘しゃ糖・その他(同1701.14-200の豪州)の輸入量は、7万875トン(前年同月比43.6%減、前月比14.4%増)であった(図1)。

 輸入先は甘しゃ糖・分みつ糖についてはタイ、甘しゃ糖・その他については豪州で、国・地域別の輸入量は次の通りであった(図2)。

 タイ
 1万3942トン(前年同月比30.4%減、前月輸入実績なし)

 豪州
 5万6933トン(同46.1%減、前月比8.1%減)







 


 2025年5月における甘しゃ糖・分みつ糖の1トン当たりの輸入価格は8万9085円(前年同月比11.9%安、前月比64.0%安)(図3)であった。

 国・地域別の1トン当たりの輸入価格は次の通りであった。

 タイ
 8万9085円(前年同月比11.8%安、前月輸入実績なし)

 甘しゃ糖・その他の豪州からの高糖度原料糖の1トン当たりの輸入価格は、8万780円(同15.5%安、同8.7%安)であった(図4)。




 

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【含みつ糖の輸入動向】
5月の輸入量は前年同月から大幅に増加
 
財務省「貿易統計」によると、2025年5月の含みつ糖(HSコード 1701.13-000、1701.14-190)の輸入量は、720トン(前年同月比41.7%増、前月比24.5%減)であった(図5)。

 輸入先は中国、タイ、フィリピン、インドおよびパキスタンで、国・地域別の輸入量は次の通りであった(図6)。

 中国
 471トン(前年同月比9.3%増、前月比36.9%増)

 タイ
 210トン(同5.0倍、同65.1%減)
 
 フィリピン
 37トン(同8.8%増、前月輸入実績なし)

 インド
 1トン(前年同月同、前月比87.5%減)

 パキスタン
 1トン(前年同月および前月輸入実績なし)




 

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 2025年5月の1トン当たりの輸入価格は、16万5457円(前年同月比10.7%安、前月比1.3%安)であった(図7)。

 国・地域別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

 中国
 16万1875円(前年同月比11.4%安、前月比8.3%安)

 タイ
 13万5238円(同15.1%安、同16.7%安)

 フィリピン
 36万7865円(同48.2%高、前月輸入実績なし)

 インド
 29万7000円(同3.3%安、前月比53.9%高)

 パキスタン
 57万8000円(前年同月および前月輸入実績なし)
 
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【加糖調製品の輸入動向】
5月の加糖調製品の輸入量は前年同月からわずかに減少
 
財務省「貿易統計」によると、2025年5月の加糖調製品の輸入量は、2万9077トン(前年同月比1.8%減、前月比0.0%増)であった(図8)。

 品目別の輸入量は、表4の通りであった。




 

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3 異性化糖の移出動向

6月の移出量は前年同月からわずかに減少
 
2025年6月の異性化糖の移出量は、7万6768トン(前年同月比1.9%減、前月比5.2%増)であった(図9)。

 同月の種類別の移出量は、次の通りであった(図10)。

 果糖含有率40%未満
 311トン(前年同月比9.0%増、前月比8.3%増)

 同40%以上50%未満
 1万8582トン(同2.8%減、同6.4%増)

 同50%以上60%未満
 5万7078トン(同0.8%減、同4.8%増)

 同60%以上
 797トン(同36.0%減、同0.5%増)




 

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4 価格動向

【市場価格】
異性化糖は前月から4円程度上昇
 
6月の糖種別・地域別の砂糖価格(日経相場)は、次の通りであった。

 上白糖(大袋)
 東京
 1キログラム当たり249〜251円
 
 大阪
 同249〜251円

 名古屋
 同252円

 関門
 同254円

 上白糖(小袋)
 東京
 1キログラム当たり261〜265円

 大阪
 同264〜265円

 本グラニュー糖(大袋)
 東京
 1キログラム当たり254〜256円

 大阪
 同254〜256円

 名古屋
  同257円

 ビート・グラニュー糖(大袋)
 東京
 1キログラム当たり249〜251円

 大阪
 同249〜251円

 名古屋
 同250円

 6月の異性化糖の価格(日経相場、大口需要家向け価格、東京、タンクローリーもの、JAS規格品、水分25%)は、次の通りであった。

 果糖分42%もの
  1キログラム当たり168〜173円

 果糖分55%もの
 同174〜179円

【小売価格】
6月の上白糖小袋の平均小売価格は269.3円
 
マーチャンダイジング・オンRDSPOS(全国3800店舗)によると、スーパーにおける6月の上白糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、269.3円(前年同月差8.4円高、前月差0.7円高)であった。最も高かったのは北海道で、最も安かったのは関東などであった。

 同月の地域別(注)の平均小売価格は、次の通りであった(表5)。

 (注)地域の内訳は、次の通りである(以下同じ)。
   関東など:茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県
   首都圏:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県
   中部:新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県
   関西:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県
 

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6月のグラニュー糖小袋の平均小売価格は325.8円
 
マーチャンダイジング・オンRDSPOS(全国3800店舗)によると、スーパーにおける6月のグラニュー糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、325.8円(前年同月差8.4円高、前月差2.7円安)であった。最も高かったのは東北で、最も安かったのは関西であった。

 同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表6)。

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6月の三温糖小袋の平均小売価格は309.5円
 
マーチャンダイジング・オンRDSPOS(全国3800店舗)によると、スーパーにおける6月の三温糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、309.5円(前年同月差7.6円高、前月同)であった。最も高かったのは北海道で、最も安かったのは首都圏であった。

 同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった(表7)。
 
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【支出金額および購入数量】
5月の砂糖の支出金額は前年同月からやや上昇
 
総務省「家計調査」によると、2025年5月における1世帯(二人以上)当たりの支出金額は109円(前年同月比5.8%高、前月比32.9%高)であった(図11)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、293グラム(同9.8%減、同20.6%増)であった(図12)。
 



 

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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
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