

ホーム > 砂糖 > 砂糖の国際価格の動き > 2 国際価格の動向
最終更新日:2025年11月10日
ニューヨーク粗糖先物相場の動き(9/2〜10/10)
〜ブラジルの増産見通しなどから15セント台に下落し、その後はわずかに回復〜

2025年9月のニューヨーク粗糖先物相場(10月限)の推移を見ると、2日はブラジルの増産見通しから1ポンド当たり16.15セント(注1)と前取引日から下落した。3日以降もブラジルの増産見通しから下落が続き、4日に7月上旬以来の15セント台となり、5日も続落して同15.55セントをつけた。8日以降は原油高(注2)により上昇傾向に転じ、10日は同15.93セントまで値を上げた。11日以降はインドの砂糖輸出増加見通しから下落したものの、15日はレアル高(注3)により同16.00セントまで値を戻した。16日以降はブラジルの増産による世界的な供給増から下落傾向に転じ、22日は同15.25セントまで下落した。23日以降は原油高とドル安により一転して上昇傾向となり、30日は同16.10セントで納会した。
3月限に切り替わった10月を見ると、2日以降はブラジルのサトウキビ糖度減少に起因する減産懸念から上昇し、6日は同16.81セントをつけた。7日以降は25/26年度の世界的な砂糖余剰予測により下落し、10日は同16.10セントまで値を下げた。
(注1)1ポンドは約453.6グラム、1米セントは1米ドルの100分の1。
(注2)一般に、原油価格が上昇すると、石油の代替燃料であるバイオエタノールの需要も増加する。バイオエタノールの需要増加により、その原料作物(サトウキビ、てん菜など)のバイオエタノール生産への仕向けが増える一方、それらから生産される食品(サトウキビの場合は砂糖)の生産・供給が減ると想定される。食品用途仕向けの度合いが小さくなるほど需給がひっ迫し、当該食品の価格を押し上げる方向に作用する。
(注3)粗糖は米ドル建てで取引されるため、米ドルに対してレアルが上昇すると、相対的にブラジル産粗糖の価格競争力が弱まる。世界最大の砂糖輸出国ブラジルの輸出意欲が低下すると、需給のひっ迫につながることから、価格を押し上げる方向に作用する。