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最終更新日:2025年12月10日
ニューヨーク粗糖先物相場の動き(10/1〜11/10)
〜世界的な砂糖余剰予測などから1ポンド当たり14セント台を記録〜

2025年10月のニューヨーク粗糖先物相場(3月限)の推移を見ると、1日は1ポンド当たり16.13セント(注1)とした後、2日以降はブラジルのサトウキビ糖度減少に起因する減産懸念から上昇し、6日は同16.81セントをつけた。7日以降は25/26年度の世界的な砂糖余剰予測により下落し、13日は原油安(注2)とレアル安(注3)により、同15.61セントとさらに値を下げた。14日以降はドル安などで一時的な反発があったものの、世界的な砂糖余剰予測に加え、26/27年度のブラジルの砂糖増産見通しから下落し、22日は同15.10セントをつけた。23日は原油高で上昇したが、24日以降は世界的な砂糖余剰予測により軟調となり、24日は同14.97セントと約4年7カ月ぶりとなる14セント台を記録し、31日は同14.43セントをつけた。
11月に入ると、3日はショートポジション(注4)をカバーするための買い戻しにより、同14.65セントと上昇した。4日以降は25/26年度のブラジル産およびインド産の増産見通しから下落に転じ、10日は同14.20セントとなった。
(注1)1ポンドは約453.6グラム、1米セントは1米ドルの100分の1。
(注2)一般に、原油価格が下落すると、石油の代替燃料であるバイオエタノールの需要も減少する。バイオエタノールの需要減少により、その原料作物(サトウキビ、てん菜など)のバイオエタノール生産への仕向けが減る一方、それらから生産される食品(サトウキビの場合は砂糖)の生産・供給が増えると想定される。食品用途仕向けの度合いが大きくなるほど需給が緩和し、当該食品の価格を押し下げる方向に作用する。
(注3)粗糖は米ドル建てで取引されるため、米ドルに対してレアルが下落すると、相対的にブラジル産粗糖の価格競争力が高まる。世界最大の砂糖輸出国ブラジルの輸出意欲が高まると、需給の緩和につながることから、価格を押し下げる方向に作用する。
(注4)将来の値下がりを期待して売りの持ち高を取っている状態。