砂糖 砂糖分野の各種業務の情報、情報誌「砂糖類情報」の記事、統計資料など

ホーム > 砂糖 > 調査報告 > 市場調査 > 令和7年度加糖調製品等の用途別消費動向に関する調査結果

令和7年度加糖調製品等の用途別消費動向に関する調査結果

印刷ページ

最終更新日:2026年1月9日

★記事の感想を募集しています★
 (回答フォームに遷移します。)
 

令和7年度加糖調製品等の用途別消費動向に関する調査結果

2026年1月

特産運営部

【要約】

 機構では、砂糖の価格調整制度の安定的な運営に資することを目的として、国内の砂糖および加糖調製品などの用途別消費動向について調査を行っている。令和6年度の動向を対象として、令和7年度に調査した結果、砂糖は、食品の価格改定による買い控えが見られたが、コストパフォーマンスが高いパンや菓子の需要増により、消費量は前年度並みを維持した。また、加糖調製品は、原料の高騰や円安により価格が高止まりしており、令和5年度に続き消費量は減少した。砂糖および加糖調製品を合計した消費量は、前年度からわずかに減少する結果となった。

はじめに

 当機構は、砂糖の価格調整制度の執行機関として、砂糖および加糖調製品(注1)の需給動向を把握するため、これらの品目のユーザーとなる食品製造事業者やサプライヤーとなる精製糖製造事業者、商社などを対象とした用途別の消費動向に関する委託調査を令和3年度から実施している(注2)。本稿は、令和7年度に実施した令和6年度を対象期間とする委託調査結果の報告である。

 (注1)加糖調製品は、砂糖と砂糖以外のココア、粉乳、ソルビトールなどの混合物で、菓子類、パン類、飲料、調味料、水産練り製品などに幅広く使用されている。
 (注2)昨年度の調査報告については、本誌2025年1月号「令和6年度加糖調製品等の用途別消費動向に関する調査結果」〈https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_003264.html〉をご参照ください。

1 砂糖および加糖調製品の用途別消費動向調査の概要

(1)委託調査先
 
株式会社富士経済

(2)調査実施期間
 
令和7年4〜9月

(3)調査対象者
 
食品製造事業者など(砂糖ユーザー〈83社〉、加糖調製品ユーザー〈56社〉、高甘味度甘味料・異性化糖ユーザー〈58社〉)のほか、製糖事業者、流通事業者、加糖調製品輸入者の皆さまにヒアリングを実施。
 



 

(5)調査対象期間
 
令和6年度(令和6年4月〜7年3月)

(6)調査項目
 
ア 砂糖および加糖調製品の用途別の消費量
 イ 砂糖および加糖調製品の使用目的など
 ウ その他

(7)調査手法
 
ア 調査対象者に対する調査票の送付および電話や対面などによるヒアリング
 イ アのヒアリング結果および各種統計資料などに基づく用途別消費量の推計

(8)その他
 
本調査における消費量および用途別消費量は、全数調査に基づく調査結果ではなく、調査・分析に基づく推計値である。

2 砂糖および加糖調製品の用途別消費動向調査の結果

(1)砂糖および加糖調製品の消費量の推移

 令和6年度の国内における砂糖および加糖調製品の消費量は、前年度比0.7%減の226万トンと前年度をわずかに下回った(表1)。



 

 品目別では、砂糖は前年度並みの180万トン、加糖調製品は同3.6%減の46万トンとなった。

 砂糖は、相次ぐ食品の価格改定の中で販売量や内容量の減少といった動きが進み、消費者による買い控えも見られたが、値頃感のあるパンや菓子の需要が増加したことにより、消費量はほぼ前年度並みを維持した。

 一方、加糖調製品は、大半が輸入品であることから、依然とした円安傾向により調達コストが高止まりしたことや、ココア調製品がカカオ原料の急騰により大幅な値上げとなったことで使用量が大きく減少したことなどから、消費量は昨年度調査に続き前年度を下回った。

(2)砂糖および加糖調製品(合計)の用途別消費量の推移

 令和6年度の砂糖および加糖調製品(合計)の消費量の用途別構成比(図1)については、「菓子・冷菓」が32.9%と最大の仕向け先となっており、「清涼飲料・酒類」が17.9%、「パン」が11.4%と続いている。



 

 用途別に見ると、「菓子・冷菓」では、カカオ原料の不足によりココア調製品の価格が上昇して使用するメリットが低下したことから、前年度比1.8%減とわずかに減少した。また、前年度比で最大の落ち込み幅であった「漬物・佃煮・水産品など」では、製品の値上げや規格変更による販売量の減少や、能登半島地震の影響で工場の稼働が停止したことにより、同6.4%減とかなりの程度減少した(表2)。



 

 砂糖と加糖調製品の消費量全体における構成比は、砂糖が79.5%、加糖調製品が20.5%となり、砂糖の構成比が前年度より0.6ポイント増加した(図2)。これは、加糖調製品の分離調達(注3)や、原料の高騰および為替相場の影響で価格優位性が低下して砂糖への切り替えが進んだことにより、砂糖の割合が高まったことが要因と考えられる。穀粉調製品やココア調製品は、特に分離調達を進める動きが増えたことで消費が減少した。砂糖や加糖調製品の価格動向に応じたそれぞれの消費の動きが引き続き注目される。

 (注3)加糖調製品として調達していたものを、砂糖と他の原料を別に調達するように切り替え、自社で混合すること。
 
1

(3)砂糖の用途別消費量の推移

 令和6年度の砂糖の消費量の用途別の構成比については、「菓子・冷菓」が29.5%と最大の仕向け先となっており、「清涼飲料・酒類」が19.5%、「パン」が11.5%と続いている(図3)。この比率は前年度とほぼ同じで、傾向に変化は見られなかった。




 また、令和6年度の砂糖の用途別消費量の推移を見ると、中食・外食需要の回復やインバウンドの外食利用の拡大などを背景に消費量が伸びた用途は一部であるものの、「漬物・佃煮・水産品など」や「乳製品」は引き続き減少しており、合計では前年度と同程度であった(表3)。
 


 

 増加した用途のうち、「パン」については、物価高で消費者の価格ニーズが高まり、小売り向けのPB(プライベートブランド)商品やボリューム感のある菓子パン・総菜パンの購入増加により、前年度比2.0%増となった。また、「その他」については、調理機会の減少により家庭用小袋の消費量が減少したが、量販店向けの惣菜などへの需要が拡大しており、全体としては同3.0%増となった。

 一方、減少した用途のうち、「漬物・佃煮・水産品など」は価格改定や規格変更による販売量の減少、能登半島地震によって工場の稼働が停止した影響などにより同6.7%減となった。また、「乳製品」については、観光地などにおける外食需要の拡大に伴いソフトクリームなどの消費量が増加したが、乳酸菌飲料のブームの落ち着きや価格改定による需要の減退もあり、全体としては同3.3%減となった。

(4)加糖調製品の用途別消費量の推移

 令和6年度の加糖調製品の消費量の用途別の構成比については、「菓子・冷菓」が45.9%と最大の仕向け先となっており、「調味料・調味食品」が12.6%、「清涼飲料・酒類」が11.6%となった(図4)。図3の砂糖の消費量の用途別構成比と同様に、「菓子・冷菓」の割合が最大となっている。



 

 令和6年度の加糖調製品の用途別消費量の推移を見ると、低価格のヨーグルトなどが伸長した「乳製品」やシェイク・ソフトクリームミックスなどが健闘した「びん・缶詰・ジャムなど」を除くすべての用途において、前年度から消費量が減少した(表4)。
 


 

 「菓子・冷菓」については、カカオなど原材料価格の高騰や為替相場の影響で価格優位性が低下したことにより、粉乳調製品やココア調製品で分離調達の動きが見られた結果、前年度比5.1%減となった。また、「調味料・調味食品」については、家庭用が価格上昇による買い控えにより同2.5%減となり、「清涼飲料・酒類」については、缶コーヒーの需要低下により粉乳調製品の消費が減少し、同1.9%減となった。

(5)加糖調製品の種類別の消費量

 加糖調製品は、砂糖と組み合わされる品目の違いによって、いくつかの種類に分けられる。本稿では、粉乳調製品、ココア調製品、加糖あん、ソルビトール調製品、その他調製品(主として穀粉調製品、塩調製品)の5種類で分析を行った(表5)。



 

 加糖調製品の種類別の消費量については、「その他調製品」を除き、「粉乳調製品」が最も多く、「清涼飲料・酒類」や「菓子・冷菓」、「乳製品」とその用途が幅広く、大口ユーザーも多い。令和6年度も前年度に続き分離調達の動きが見られたが、アイスクリームや付加価値の高いヨーグルト、チョコレートの受け皿となる菓子の販売が好調に推移したことから、前年度比1.8%増となった。

 次に消費量の多いソルビトール調製品は、パンや和菓子、洋菓子、グミ、ゼリー、びん・缶詰・ジャム類、煮豆、水産品などさまざまなカテゴリーで使用されており、これまでは砂糖に対する価格優位性の高さから消費量が年々増加していたが、仕入価格の上昇が見られ、価格優位性が低下したことから、同1.2%減となった。

 また、ココア調製品については、ココアの原料であるカカオ豆の国際価格の高騰が進み、原料自体が入手困難となっていることに加え、為替相場が円安傾向となったことも相まって調達を取りやめる動きが出てきているほか、商品をチョコレート規格から菓子規格へ変更する動きもあり、同12.5%減となった。

 加糖あんについては、他の加糖調製品と比較して仕入価格の上昇が緩やかであったことや、前年度に見られたチルドデザート向けの鶏卵不足が解消したことで消費が回復し、同3.0%増となった。

3 ユーザー調査の結果

 主要な調査品目とした砂糖、加糖調製品に加え、高甘味度甘味料および異性化糖も含めた取扱事業者(延べ197社。以下「ユーザー」という)から取り扱い品目や使用目的、仕入価格などの観点からヒアリング調査を実施した。その結果を併せて報告する。

(1)調査品目別のユーザーの主たる取り扱い品目

 今回のヒアリング対象者について、調査品目別に主たる取り扱い品目を取りまとめたところ、いずれのユーザーにおいても「菓子・冷菓」が最多となった。

(2)使用目的

 各ユーザーにおける使用目的(複数回答可)については、次の通りとなった。

ア 砂糖
 
砂糖の使用目的は、回答数372件のうち、「甘味調整」が209件(56.2%)と過半を占める結果となった。別の回答として「コク付け」が114件(30.6%)、「食感向上」が20件(5.4%)、「外観向上」が10件(2.7%)、「保存性向上」が4件(1.1%)あった。その他の回答として、国産原料のためにてん菜糖などを使用するといったものもあった(図5)。



 


イ 加糖調製品
 
加糖調製品の使用目的は、回答数106件のうち、「コスト削減」が51件(48.1%)と最も多かったものの、価格優位性の低下から半数を割り込む結果となった。別の回答として「安定調達」が20件(18.9%)、「甘味調整」が10件(9.4%)、「作業性向上」が3件(2.8%)あった。その他の回答として、「製造委託先からの指定」、「従来から使用」などがあった(図6)。




 

ウ 異性化糖
 
異性化糖の使用目的は、回答数71件のうち、「甘味・味の調整」が48件(67.6%)と7割近くを占める結果となった。別の回答として、「コスト削減」と「作業性改善」がそれぞれ6件(8.5%)、「保水性」が1件(1.4%)あった。その他の回答として、「製造委託先からの指定」などがあった(図7)。
 



 


エ 高甘味度甘味料
 
高甘味度甘味料の使用目的は、回答数89件のうち、「甘味調整(高甘味度甘味料でしか表現できない味)」が47件(52.8%)と過半を占める結果となった。別の回答として、「カロリー抑制」が17件(19.1%)、「コスト削減」が14件(15.7%)あった。その他の回答として、「色つやをよくするため」、「甘味の付与・付加」などがあった。使用する高甘味度甘味料によっては、甘さを先に感じる効果や風味をマスキングする効果を有するものがあることから、「甘味調整(高甘味度甘味料でしか表現できない味)」を目的とした使用が、前年度の41.2%から11.6ポイント増加した。(図8)。
 

2

(3)仕入動向

 各ユーザーにおける仕入動向(複数回答可)については、次の通りとなった。なお、品目により設問が異なるのでご留意いただきたい。

ア 砂糖
 
令和6年度の砂糖の仕入量は、「1000トン〜2000トン未満」が20社と最も多く、次に「500トン〜1000トン未満」の15社、「200トン〜500トン未満」の13社が続く結果となった(図9)。砂糖の種類別では、すべての砂糖において「200トン未満」が最も多かった(図10)。





 

 また、令和5年度からの仕入量の増減については、グラニュー糖および上白糖が「増加」、三温糖が「増加」と「減少」が同数という結果となった(図11)。「増加」の理由としては、製品の容量変更ではなく内容量を据え置き、価格を上げるケースがあることのほか、インバウンド需要が菓子やアイスクリームなど向けの砂糖消費量の増加につながったことなどが挙げられる。個別の事例では、「ココア調製品からグラニュー糖への置き換え」、「ヨーグルト製品の好調」、「新商品の販売数量増加」などの回答があった。



 

イ 加糖調製品
 
令和6年度の加糖調製品の仕入量は、「200トン未満」が20社と最も多く、「1000トン〜2000トン未満」の10社、「200トン〜500トン未満」と「2000トン〜5000トン未満」の7社が続く結果になった(図12)。加糖調製品の種類別では、粉乳調製品以外の加糖調製品において「200トン未満」が最も多いという結果となった(図13)。
 






 


 また、令和5年度からの仕入量の増減については、加糖あんを除くすべての加糖調製品において「減少」が最多であり、これに対しては、食品の価格改定や容量変更などで使用製品の生産量自体が減少しているとの声が挙げられた(図14)。仕入れに関する個別の事例では、原料価格の高騰や為替相場が円安傾向であることによりコストメリットがなくなり、分離調達へ切り替えたなどの回答がある一方で、原材料表示などにより砂糖への切り替えが難しいとの声もあった。





ウ 異性化糖
 
令和5年度からの仕入量の増減については、果糖ブドウ糖液糖で「増加」が最も多かった一方で、砂糖混合異性化液糖は「減少」が最も多かった。「増加」については、猛暑による氷菓への消費量の増加や、アイスコーヒーやレモンティーなどの飲料、低価格帯の菓子といった使用製品の生産量の増加といった回答があった。一方「減少」では、商品構成の変更に伴って仕入量が減少したという回答が見られた(図15)。




 


エ 高甘味度甘味料
 
令和5年度からの仕入量の増減については、10社以上から仕入れの回答があった高甘味度甘味料のうち、アセスルファムK、スクラロースおよびステビアにおいて「増加」が多かった一方で、アスパルテームは「減少」が最も多かった。「増加」および「減少」とも、商品の配合変更をしたという回答が見られた(図16)。
 

3

(4)価格に対する満足度

 砂糖と競合する甘味料について、各ユーザーにおける価格に対する満足度の調査結果は、次の通りとなった。

ア 加糖調製品
 
加糖調製品の価格に対する満足度は、回答数96件(使用する加糖調製品の種類による複数回答を含めた延べ件数)のうち、「不満である」が51件(53.1%)と最も多く、「仕方ない、どちらとも言えない」が13件(13.5%)、「満足している」が11件(11.5%)であった(図17)。「不満である」との回答の中で、「前年に続いて値上げ幅が大きく不満である」といった声が聞かれた。


 
 

イ 異性化糖
 
異性化糖の価格に対する満足度は、回答数67件(使用する異性化糖の種類による複数回答を含めた延べ件数)のうち、「不満である」が27件(40.3%)と最も多く、「仕方ない、どちらとも言えない」が10件(14.9%)、「満足している」が8件(11.9%)であった(図18)。「不満である」との回答の中で、「為替変動や物流費、ユーティリティコストの上昇を理由として値上げを示唆されている」といった声が聞かれた。




 


ウ 高甘味度甘味料
 
高甘味度甘味料の価格に対する満足度は、回答数82件(使用する高甘味度甘味料の種類による複数回答を含めた延べ件数)のうち、「不満である」が27件(32.9%)と最も多かった。「不満である」との回答の中では、「価格の変動が大きく、仕入れ面ではコントロールしにくい」というものが見られた。また、「満足している」との回答も26件(31.7%)あり、その中で、「単価は高いが、甘味の質が異なるため使用している」といった意見があった(図19)。
 

 

4

おわりに

 令和6年度を対象とした今回の調査では、砂糖については、米不足によるパンへの代替需要の期待や菓子などへのインバウンド需要の増加も見られたが、相次ぐ価格改定による麺類へのシフトや買い控えもあり、消費量は前年度並みとなった。また、円安や原料価格の高騰から加糖調製品のコストが急騰したことにより、加糖調製品から砂糖に切り替えるユーザーが見られた一方で、令和7年度は円高に振れる局面もあり、再び加糖調製品に戻すことを検討するユーザーが出てきている。

 加糖調製品については、価格優位性の低下により、昨年度調査に続き消費量が前年度割れとなった。特にココア調製品については、カカオ原料の急騰により大幅な値上げとなり、消費量は大幅に減少した。また、ソルビトール調製品についても、家庭用の需要減少や仕入価格の上昇により、昨年度調査に続き消費量が減少する結果となった。一方で、令和6年度時点では韓国ブームの効果もあり、コストを抑制できるのであれば、韓国産の加糖調製品を使用し、それを表示することへの忌避感が薄れてきている状況もある。

 本調査の結果、日本国内における甘味料の総市場は、原料の急騰や為替相場の変動により大きく変化してきており、コストや安定的な調達に向けて砂糖、加糖調製品、異性化糖、高甘味度甘味料のそれぞれの間での切り替えなどの動きが活発になってきていることが分かった。他方、それぞれの甘味料で価格以外の要素で選択されている面もあり、砂糖への切り替えが簡単ではないとの意見も見られたことから、今後も加糖調製品などの価格動向や需要動向を引き続き注視していく必要があると考えられる。

 最後にお忙しい中、本調査にご協力いただいた企業の皆さまに、改めて厚く御礼申し上げます。
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8678