

ホーム > 砂糖 > 調査報告 > さとうきび > 中・長期で農業現場に伴走する、人材支援パートナーという選択〜YUIMEとともに目指す、農業人材支援のあり方〜
最終更新日:2026年3月10日





〜計画的な人材育成で未来をつくる、JA士幌町の新たな挑戦〜
北海道・十勝平野に位置する士幌町は、日本有数のばれいしょ産地として知られている。その品質を支えているのが、士幌町農業協同組合(JA士幌町)の選果場だ。ここは単なる作業施設ではなく、地域農業の品質と信頼を守る“心臓部”とも言える存在である。しかし、その選果場では、従業員の高齢化が確実に進行していた。あと5年で、現場スタッフの半数以上が定年を迎えるという事実は、人手が減るという問題にとどまらない。それは、長年の経験によって培われてきた、選果の目利き、機械操作の勘どころ、トラブル時の対応力といった“言語化が難しい経験値や勘”が、一気に失われる可能性を意味している。
生産現場では、今と同じ品質を、5年後も保てるか、また、この選果場は今後も運営を継続できるのかといった漠然としながらも拭い切れない不安が広がっていた。
選果作業は一見すると単純に見えるが、その実態は高度な判断の積み重ねである。ばれいしょのわずかな傷や形の違いを見分ける目、機械の癖を理解した操作、作業全体を止めないための段取り力。これらはマニュアルだけで伝えられるものではなく、日々の積み重ねの中で身につく「暗黙知」に近い。そのため、短期アルバイトや単発の派遣スタッフを補充しても、その場の人手は埋まっても技術は残らない。人が入れ替わるたびに一から教え直す必要があり、現場の負担はむしろ増えてしまう。
問題は、単なる人員不足ではなく、技術をどう次世代につなぐかという、より構造的なことだった。この壁を乗り越えるため、JA士幌町が選んだのが、YUIMEの派遣サービスを活用した計画的な人材育成モデルであり、その中核となったのが、「業務習熟のステップアップ3ヵ年計画」だった。これは、場当たり的に人を補充するのではなく、時間をかけて人を育てることを前提にした仕組みである。

1年目は、コンテナ組み立てなどの比較的シンプルな作業からスタートし、現場の流れやチームワークに慣れる期間とする。2年目には、ばれいしょの選果作業へとステップアップし、品質判断の基礎を身に付ける。そして3年目には、最も熟練を要する品質検査業務へと進み、現場の中核を担う存在へと育てていく。毎年少しずつ人員を増やしながら、先に経験を積んだスタッフが後から来たスタッフを教えることで、選果場の中に自然な技術伝承の流れが組み込まれていった。
この計画が動き出してから、選果場の空気は少しずつ変わっていった。人材の受け入れや労務管理といった負担が軽減されただけでなく、「来年は何人増やして、この作業を任せようか」、「このスタッフは、再来年には検査工程に進めそうだ」といった、先を見据えた会話が日常的に交わされるようになったのである。かつて現場を覆っていた「5年後が見えない不安」は、「この流れなら、技術をつないでいける」という確かな安心感へと変わっていった。
JA士幌町の事例は、計画的な人材活用が単なる人手不足対策にとどまらず、農業現場に不可欠な技術を次世代へとつなぐための強力な仕組みづくりとして活用し得ることを示している。短期的な人員補充ではなく「未来を見据えた人材投資」、その選択が、選果場の安定稼働と品質維持、そして地域農業の持続性を着実に支えている。
YUIMEは、こうした現場の意思に寄り添いながら、人材派遣という枠を超えて、農業の未来を共につくるパートナーとしてこれからも地域と歩み続けていく。
〜受け入れ体制と定着を見据えた支援〜
YUIMEでは、外国人材を単に派遣するのではなく、入国前後から就労、そして定着に至るまでを一貫して支える受け入れ体制を構築している。農業現場で安心して力を発揮してもらうためには、作業スキルの提供だけでなく、日本での生活や文化への理解、継続的なフォローが不可欠であるという考えに基づくものだ。
その取り組みの第一歩として、入国時にはオリエンテーションを実施している。日本の文化や生活習慣、就労に関する基本事項に加え、YUIMEとしてのルールや現場で求められる行動基準について、各人の母国語を含む多言語で丁寧に説明することで、来日直後の不安を軽減し、早期の職場適応を支援している。
さらに、新規入国者に対しては入国後6カ月間の重点サポート期間を設け、3カ月に1回の定期面談を実施。就労状況のみならず、生活面や人間関係、体調面の変化などを継続的に把握し、問題が顕在化する前に対応できる体制を整えている。
こうしたフォローを補完する取り組みとして、外国人材向けに「YUIMEマガジン」を毎月発行し、入国手続きや在留資格に関する情報、日本での生活のポイント、免許・資格取得の案内、日本語学習の機会、日本各地の祭りや文化の紹介記事などを掲載し、働くための情報だけでなく、日本で暮らし続けるための知識を継続的に提供している。
また、就労の幅を広げ、現場での活躍を後押しするため、免許・資格取得の支援にも力を入れている。自動車運転免許やフォークリフト免許、特定技能2号試験、日本語能力試験(JLPT)などの取得・合格をサポートし、作業の高度化や役割拡張につながる成長機会を提供している(写真4)。




〜持続可能な生産体制の構築に向けて〜
YUIMEの人材派遣は、単なる人手不足への対応にとどまらず、人材の受け入れから育成までを見据えた仕組みとして運用されている。
人を「補う存在」としてではなく、「共に現場を支え、育っていく存在」として迎え入れること。その前提に立ち、現場に寄り添った人材支援を重ねてきた。
人材を計画的に配置することで、繁忙期における作業体制の安定化だけでなく、日々の業務を通じた技術伝承や人材育成の環境づくりが可能となる。作業が属人化せず、経験が積み重なっていくことで、生産現場における業務の継続性は高まり、中・長期的な生産計画も描きやすくなっていく。高齢化や人手不足が進む中で、農業の持続的な発展を支えるためには、地域や産地の実情に即した人材活用の仕組みが欠かせない。
YUIMEは、これからも生産現場と真摯に向き合いながら、人が育ち、現場が続いていくための仕組みを、共につくり続けていく。
YUIME株式会社:https://yuime.co.jp/index
特定技能外国人材サービス:https://tokuteiginou.yuime.jp/
日本人材派遣サービス「本気の農業インターン」:https://honki-intern.com/