アイスクリームの品質や味わいを左右する重要な要素として、甘味料と乳製品が挙げられます。
適度な甘さはアイスクリームに欠かせないものです。主なものに、砂糖、ブドウ糖、果糖、水あめなどがあり、それぞれ甘さの質が異なります。糖分は、固形分の供給源としてアイスクリームの組織をつくるほか、凍結温度に影響を与え、氷結晶を細かくすることで滑らかな食感を実現します。また、クリームの香りや風味を引き立てる役割も担っています。
20年前は、砂糖を中心に水あめ、異性化糖などを併用する処方が一般的でした。その後、「濃厚」や「キレ」など高付加価値商品の増加、機能訴求型商品の登場といった要因を背景に、甘味料の選択肢は多様化しました。
近年の傾向としては、甘味料には、機能的な効果のみならず、前章で述べた通り、20年前と比べて「癒し・安らぎ」といった情緒的・官能的効果も求められてきており、その総合的な機能性により、砂糖や水あめが改めて評価されています。特に、砂糖は、「自然で後味の良い甘味」、「乳原料・油脂との相互作用によるコク・風味の形成に優れている」点が認められています。
乳製品についても、開発コンセプトによって液状や粉状のもの、乳固形分の割合などを考慮して選定されています。乳固形成分中に含まれる乳脂肪分がコクや風味に直結しますし、柔らかさや滑らかさといった食感の違いや味わいの差別性を図るため、生乳、クリーム、チーズ、脱脂濃縮乳など多種多様な乳製品を使い分けています。
甘味料や乳製品は、品質・おいしさを支える不可欠な素材として、商品の差別化を図る上で、いかに最適に使うかという視点が、今後も一層重視されていくものと思われます。