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沖縄県における令和7年産サトウキビの生産状況について

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最終更新日:2026年9月10日

沖縄県における令和7年産サトウキビの生産状況について

2026年9月

沖縄県 農林水産部 糖業農産課

【要約】

 沖縄県の令和7年産サトウキビは、収穫面積が1万3638ヘクタール(前年比1.1%増)と前年より増加し、生産量は76万5771トン(同9.4%減)と前年を下回ったものの、平年より多い年となった。梅雨明けが例年より早く、それ以降は6月上旬から10月上旬にかけて全県的に少雨傾向であったことなどにより、10アール当たりの収量は前年を下回る5615キログラム(同10.4%減)となり、前年より減少したものの、台風の襲来が例年より少なかったこともあり、平年より多い年となった。一方、平均甘しゃ糖度は14.5度(前年13.8度、平年14.3度)と、品質的には上がった。

はじめに
サトウキビの位置付け

 サトウキビ栽培経営体は沖縄県の農業経営体の約6割、サトウキビ栽培面積は同じく経営耕地総面積の約5割と、サトウキビは県内で最も多く栽培され、県内農業産出額の約2割を占める基幹作物である。特に多くの離島を抱える本県においては、製糖業とともに地域経済・社会を支える重要な作物となっている。また、サトウキビは他作物に比べて台風や干ばつに強く、離島地域においては代替の利かない作物である。

 国において、令和7年4月に新たな「食料・農業・農村基本計画」が策定され、令和12年産サトウキビの生産目標数量が、沖縄県および九州で133万トン(t)と設定された。沖縄県では、この目標数量を踏まえ、各地域の増産フォローアップ会議などにおいて課題や対策の検討を重ね、7年12月に、8年度から17年度までを期間とする新たな「さとうきび増産計画」を策定した。さらに、これらに加え「沖縄振興特別措置法」に基づく「新・沖縄21世紀ビジョン基本計画」(令和4年5月策定)とも整合を図りながら、生産基盤の整備、安定生産技術の開発・普及、機械化や地力増強、病害虫防除対策の推進、生産法人など担い手の育成、優良品種の開発・普及といった総合的な施策展開による生産振興を推進している。
 
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1 令和7年産サトウキビの生育概況

(1)沖縄地域(沖縄本島、伊平屋島、伊是名島、伊江島、粟国島、久米島、南大東島、北大東島)

 本島および周辺地域においては、生育初期は多雨傾向であり、生育はおおむね順調に推移したが、梅雨明けが例年より早かったことから梅雨期間が極めて短く、6月は降水量が少ない状態が続き、特に久米島では平年と比べて10%台となった。その後7月は平年並みの降水量はあったものの、8〜9月は本島、久米島、周辺離島で著しく少なく、干ばつの被害が見られた。一転して10月中旬から下旬にかけては大雨となったが、11月以降は日照時間が確保され、気温も平年並みに落ち着いたことで生育は順調に推移した。

 大東地域においても、早い梅雨明けにより6月は少雨であったが、7月には平年の8倍を超える記録的豪雨に見舞われ、冠水被害が発生した。8〜9月は少雨傾向となったものの、10月中旬から降水量が平年並みに回復し、生育は順調に推移した。

(2)宮古地域(宮古島、伊良部島、多良間島)および八重山地域(石垣島、小浜島、西表島、波照間島、与那国島)

 宮古地域においては、4〜7月の降水量はほぼ平年並みに推移したが、8〜9月に降水量が少なく干ばつ状況であり、生育への影響が見られた。その後、台風による被害もなく10月中旬から降水量、日照時間が平年並みに回復し、生育は順調に推移した。

 八重山地域においては、4〜5月の降水量は平年を上回り、日照時間も平年並みであったが、梅雨明け以降は降水量が少なく、特に8〜9月は著しく少なく干ばつ状況であり、10月以降は降水量が増加したものの、生育の抑制が生じ、収量に影響を及ぼした。

2 令和7年産サトウキビの生産状況

(1)収穫面積と生産量

 令和7年産サトウキビの収穫面積は1万3638ヘクタール(ha)(前年比1.1%〈154ha〉増)となり、令和6年産と比較して増加した。生産量は76万5771t(同9.4%〈7万9341t〉減)、10アール(a)当たり収量は5615キログラム(kg)(同10.4%〈652kg〉減)と、前年と比較して減少した(図1)。
 
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ア 沖縄地域
 
収穫面積は5472ha(前年比1.1%〈63ha〉減)、10a当たり収量は5975kg(同2.8%〈169kg〉減)ともに減少したことから、生産量は32万6988t(同3.9%〈1万3104t〉減)となり、前年から減少した(表1〜3)。

イ 宮古地域
 
収穫面積は6312ha(前年比4.4%〈268ha〉増)と増加したものの、10a当たり収量は5533kg(同14.2%〈916kg〉減)と減少したため、生産量は34万9279t(同10.4%〈4万559t〉減)と前年から減少した。

ウ 八重山地域
 
収穫面積は1854ha(前年比2.7%〈51ha〉減)と前年から減少し、10a当たり収量は4828kg(同20.1%〈1218kg〉減)、生産量は8万9504t(同22.3%〈2万5678t〉減)と前年から減少した。

 なお、各地域別生産量は、沖縄地域(周辺離島を含む)が全体の42.7%、宮古地域が45.6%、八重山地域が11.7%となっている。

 





 

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(2)作型別収穫面積

 作型別では、夏植え栽培が2491ha(前年比18.3%〈559ha〉減、全収穫面積に占める割合18.3%)、春植え栽培が1239ha(同2.2%〈27ha〉増、同9.1%)、株出し栽培が9909ha(同7.4%〈686ha〉増、同72.6%)となった(図2)。新植栽培(夏植え・春植え)よりもコストが抑えられることから、全収穫面積のうち株出し栽培が占める割合が多い傾向が続いている。

ア 沖縄地域
 
夏植え栽培は416ha(前年比17.0%〈85ha)減)と前年から減少し、春植え栽培は652ha(同12.0%〈92ha)減)と前年から減少、収穫面積の約8割を占める株出し栽培は4405ha(同2.7%〈114ha〉増)と前年から増加した。夏植えと春植え栽培の収穫面積は減少し、株出し栽培の収穫面積が増加したため、全体的な収穫面積は減少した。10a当たり収量は、夏植え栽培は84kg減少、春植え栽培は同171kg減少、株出し栽培は150kg減少といずれの作型も減少し、全体として減少となった。

イ 宮古地域
 
夏植え栽培の収穫面積は1603ha(同12.5%〈229
ha〉減)と前年から減少し、春植え栽培と株出し栽培は、380ha(同12.0%〈41ha〉増)、4329ha(同11.8%〈456ha〉増)と前年から増加した。

ウ 八重山地域
 
夏植え栽培の収穫面積は472ha(前年比34.2%〈245ha〉減)と前年から減少したが、春植え栽培と株出し栽培は、それぞれ207ha(同60.0%〈78ha〉増)、1175ha(同11.0%〈116ha〉増)と前年から増加した。10a当たり収量は夏植え、春植え、株出しすべてで減少したため、生産量は全体として前年を下回った。
 

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(3)品種構成

 品種構成は、Ni27(農林27号)が全収穫面積の48.3%を占め、次いでNi29(農林29号)が7.1%、Ni21(農林21号)が5.9%、NiH25(農林25号)が5.8%、Ni22(農林22号)が5.4%、RK97-14が5.0%、Ni28(農林28号)が3.1%となった(図3)。Ni27(農林27号)は茎のそろいや収量性がよく、株出し性や糖度についても安定しており、栽培性に大きな欠点がなくバランスの取れた品種であることから、近年生産が拡大している。しかしながら、生育初期など早い時期に台風が襲来すると被害が大きくなることや、株出し栽培で黒穂病の発生が見られることから、一部産地ではNi27(農林27号)の品種割合を抑制してリスク分散を図る動きが見られる。

ア 沖縄地域
 
Ni27(農林27号)が35.4%、Ni29(農林29号)が16.7%、RK97-14が9.0%、Ni28(農林28号)が5.6%を占めている。

イ 宮古地域
 
Ni27(農林27号)が58.0%と最も多く、次いでNi21(農林21号)が8.8%となっている。

ウ 八重山地域
 
Ni27(農林27号)が53.4%と最も多く、次いでNiH25(農林25号)が17.2%、Ni22(農林22号)が13.4%となっている。



 

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3 ハーベスタによる収穫状況

 サトウキビの労働時間の大半を占める収穫作業の省力化を図るため、これまで国庫補助事業などを活用したハーベスタの導入を推進してきた。さらに、県ではこのハーベスタの導入に加え、脱葉施設などの導入を進め、地域に応じた収穫体系を含む機械化一貫作業体系の確立を推進している。

 令和7年産では、県内全域において大型、中型、小型の各機種合計374台のハーベスタが稼働し、ハーベスタ、刈り倒し機および脱葉機を利用した機械収穫率は収穫面積の90.9%(前年収穫率90.1%、前年比0.8ポイント増)となった。

4 製糖工場の操業状況

 沖縄県の製糖工場は、分みつ糖工場が8社9工場(8島)、含みつ糖工場が4社8工場(8島)操業している(表4)。

 分みつ糖工場の令和7年産原料処理量は、70万884t(前年比8.8%〈6万7835t〉減)と前年から減少し、買入糖度は、前年より高い14.3度となった。

 含みつ糖工場の7年産原料処理量は、6万4886t(同15.1%〈1万1507t〉減)と前年から減少した。
 
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おわりに

 沖縄県では、令和13年度を目標とする「新・沖縄21世紀ビジョン基本計画」および新たにスタートした令和17年産を目標とする「さとうきび増産計画」に基づき、各種の生産振興施策・事業を展開している。

 7年産サトウキビは、梅雨明けが例年より早かったために梅雨期間が極めて短く、それ以降は6月上旬から10月上旬にかけて全県的に少雨傾向が見られた。そのため、生育旺盛期に一部地域で干ばつが見られ、前年より生産量は減少したものの、台風の襲来が例年より少なかったこともあり、県全体の収穫量は76万t台と平年よりやや多い年となった。

 サトウキビは比較的気象災害に強い作物ではあるが、本県は台風常襲地域であり、気象条件などの年変動も大きいことから、これまで同様の取り組みの継続と強化が重要である。

 このため、引き続き機械化や生産基盤の整備を推進するとともに、気象災害や病虫害などに対応したセーフティネット(さとうきび増産基金など)の活用を進め、増産計画の着実な推進と目標達成に向けて関係機関・団体が一丸となって増産への取り組みを展開していくことで、農家が意欲を持って生産を続けられるよう、サトウキビ生産農家と製糖企業の経営安定化に努めていく。
 
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
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