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〜令和7年度甘味料およびでん粉の仕入動向等調査結果(2)〜

食品メーカーにおける甘味料の利用形態
〜令和7年度甘味料およびでん粉の仕入動向等調査結果(2)〜

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最終更新日:2026年9月10日

食品メーカーにおける甘味料の利用形態
〜令和7年度甘味料およびでん粉の仕入動向等調査結果(2)〜

調査情報部 企画情報グループ

【要約】

 2026年7月号に、でん粉の仕入動向等について掲載した。本号では、甘味料について報告する。食品メーカーでは、人件費・物流費・各種原材料費の高止まりに加え、円安の影響も重なり、最終製品への価格転嫁を余儀なくされている。令和7年度の本調査における各種甘味料の仕入価格についても、高価格帯への移行が見られた。

 一方、食品メーカーが回答した各甘味料の今後の仕入量の見込みでは、調査対象のすべての甘味料で「横ばい」と回答した者が最も多く、「仕入量が減少する」と回答した割合が6年度の調査結果を下回ったことから、仕入量が大幅に縮小する傾向は見られなかった。 

はじめに

 食品の製造には、砂糖や加糖調製品、異性化糖に加え、黒糖、ブドウ糖、水あめ、糖アルコールなど多様な甘味料が使用されている。これらの甘味料は、チョコレート、キャンデー、ガム、グミといった菓子類をはじめ、加工食品、清涼飲料、乳製品、パン、調味料など幅広い用途を持つ。

 黒糖はサトウキビ由来であり、主に菓子類や飲料に利用され、特有の風味付与を目的として使用される。

 ブドウ糖や水あめは、コーンスターチなどのでん粉由来で、菓子類を中心に、甘味調整だけでなく食感や外観の向上、離水防止など機能面での役割も大きく、幅広い食品に利用されている。

 ソルビトールは、ブドウ糖を還元して得られる糖アルコールの一種である。加熱しても変色しにくく消化吸収されにくいといった特性を持ち、菓子類のみならず加工食品にも広く使用されている。

 当機構では、甘味料に対する実需者のニーズを把握し、需給動向の判断に資する基礎的情報を収集するため、食品製造事業者を対象としたアンケート調査を毎年度実施している。本稿では、令和7年度に実施した「甘味料およびでん粉の仕入動向等調査」のうち、黒糖、ブドウ糖、水あめおよびソルビトールに関する調査結果について報告する。

1 調査の方法

(1)調査期間
 
令和8年1月〜3月

(2)調査対象
 
甘味料を使用する食品製造事業者

(3)調査項目
 
ア 用途および使用する理由
 イ 仕入価格および仕入量の動向
 ウ 原料確保の評価

(4)調査対象期間
 
令和7年10月現在(ただし、年間を対象とした項目については令和6年10月から翌年9月までの1年間)の甘味料の用途、仕入状況などに関する事項

(5)調査方法
 
郵送または電子メールによる調査票の発送および回収を実施

(6)回収状況
 
配布企業数   301社
 回収企業数   98社(表1)
 調査票回収率  32.6%
 




(7)集計結果についての留意事項
 
ア 図中の「n」は、有効回答数を表す。
 イ 端数処理の関係により、図中の内訳の合計が100%にならないことがある。
 ウ 図に示す調査結果は、凡例と同様の選択肢による回答である。
 エ 各甘味料の用途および使用する理由は、表2の選択肢から回答を得た。
 オ 凡例の増減(または騰落)率に関する選択肢は、表3の通り。







 


(8)調査企業の概要
 
今回の調査で回答のあった98社の業種別構成比は、図1の通り。「菓子、パン」が50%(49社)と最も多く、次いで「畜産・水産食料品」が19%(19社)、「麺類、冷凍調理食品、総菜」が9%(9社)、「調味料、糖類、油脂」が8%(8社)となった。
 

1

2 集計結果

(1)黒糖

ア 黒糖の用途
 
黒糖の用途を見ると、「菓子」が23件で最も多かった。次いで「清涼飲料・酒類」と「パン」がともに5件で続いている(図2)。




 


イ 黒糖を使用する理由
 
黒糖を使用する理由としては、「風味調整」と「甘味調整(甘さを加える)」がともに28件で最も多かった。次いで「付加価値の訴求」が22件となった(図3)。




 

ウ 黒糖の仕入価格の動向
 
1キログラム当たりの仕入価格(令和7年10月時点)を見ると、回答があった中では「400円以上500円未満」の価格帯が33%と最も多く、次いで「500円以上」が17%となった。経年で見ると、令和7年度は初めて「400円以上500円未満」が3割を超えて最多となり、価格の上昇が顕著になった(図4)。




 


 6年度と比較した7年度の仕入価格が変動した場合の理由について、48社中19社から回答があった。19社のうち、「市場相場の変動によるもの」が17社と大半を占めた。このほか「為替の変動によるもの」が2社となった。

エ 黒糖の仕入量の動向
(ア)直近1年間の仕入量
 
令和7年度(令和6年10月から翌年9月、以下年間の仕入量について同じ)の仕入量を見ると、「5トン未満」が58%を占め、次いで「100トン以上」が15%であった(図5)。
 



 


(イ)仕入量の動向
 
令和6年度と比較した7年度の仕入量の動向は、「横ばい」が48%で最多となったものの、「大幅に増加」と「やや増加」を合わせると21%、「やや減少」と「大幅に減少」を合わせると25%となり、「減少」が「増加」を上回った(図6)。




 


 今後の仕入量の見込みは、「横ばい」が69%と最も多く、「大幅に増加」と「やや増加」が合わせて15%、「やや減少」と「大幅に減少」が合わせて12%であった(図7)。

 価格上昇局面にあっても、黒糖はその独特の風味ゆえに代替が難しく、需要が底堅いことがうかがえる。
 

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(2) ブドウ糖

ア ブドウ糖の用途
 
ブドウ糖の用途を見ると、「菓子」が21件で最も多かった。次いで「加工食品」が8件、「冷凍食品」、「清涼飲料・酒類」、「乳製品」および「冷菓」がいずれも5件で続いている(図8)。

 また、その他の具体的な用途として、「冷凍ホイップ」、「揚麺」などが挙げられた。




 

イ ブドウ糖を使用する理由
 
ブドウ糖を使用する理由としては、「風味調整」と「甘味調整(甘さを加える)」がともに22件で最も多かった。次いで「食感向上」と「甘味抑制(砂糖との比較)」がいずれも10件で続いている(図9)。

 また、その他の具体的な理由として、「品質向上」、「保存性の向上」、「製品固形分調整」、「発色目的(ちくわの焼け色、天ぷらの揚げ色)に使用する」などが挙げられた。




 

ウ ブドウ糖の仕入価格の動向
 
1キログラム当たりの仕入価格(令和7年10月時点)を見ると、「170円以上」が57%で最も多く、次いで「150円以上170円未満」が15%となった。経年で見ると、「170円以上」の価格帯が直近3カ年度で急増した一方で、130円未満の低価格帯は大幅に減少しており、高価格帯への移行が見られる(図10)。




 


 令和6年度と比較した7年度の仕入価格が変動した場合の理由について、53社中24社から回答があった。

 24社のうち、「市場相場の変動によるもの」が17社で最も多く、次いで「仕入先の変更によるもの」が3社、「為替相場の変動によるもの」が2社となった。

エ ブドウ糖の仕入量の動向
(ア)直近1年間の仕入量
 
令和7年度の仕入量を見ると、「10トン未満」が36%で最も多く、次いで「10トン以上100トン未満」が25%、「100トン以上500トン未満」が19%となった(図11)。
 




 

(イ)仕入量の動向
 
令和7年度のブドウ糖の仕入量の動向は、「横ばい」が64%で最も多く、「大幅に増加」と「やや増加」が合わせて21%、「やや減少」と「大幅に減少」が合わせて12%となった(図12)。

 



 


 今後の仕入量の見込みは、「横ばい」が72%で大半を占め、「大幅に増加」と「やや増加」が合わせて17%、「やや減少」と「大幅に減少」が合わせて10%となり、仕入量を増やす動きが見られた(図13)。
 

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(3)水あめ

ア 水あめの用途
 
水あめの用途を見ると、「菓子」が33件で最も多かった。次いで「冷菓」が12件、「加工食品」が7件、「調味料・調味食品」と「乳製品」がともに5件で続いている(図14)。

 また、その他の具体的な用途として、「冷凍ホイップ」などが挙げられた。




 

イ 水あめを使用する理由
 
水あめを使用する理由としては、「甘味調整(甘さを加える)」が37件で最も多かった。次いで「食感向上」が27件、「風味調整」が15件、「甘味抑制(砂糖との比較)」が14件と続いている(図15)。

 また、その他の具体的な理由として、「生地の安定のため」、「飴のボディ形成、色焼け防止、食感形成」、「製品の艶出しと海苔巻製品の海苔の接着剤」、「製品固形分調整」、「保存性の向上のため」などが挙げられた。




ウ 水あめの仕入価格の動向
 
1キログラム当たりの仕入価格(令和7年10月時点)を見ると、「140円以上」が55%で最も多く、次いで「100円以上110円未満」が11%となった。経年で見ると、「140円以上」の割合は、令和5年度以降、5割強で推移している(図16)。




 


 令和6年度と比較した7年度の仕入価格が変動した場合の理由について、76社中23社から回答があった。

 23社のうち、「市場相場の変動によるもの」が16社と最も多く、次いで「為替相場の変動によるもの」が5社となった。

エ 水あめの仕入量の動向
(ア)直近1年間の仕入量
 
令和7年度の仕入量を見ると、「10トン未満」が37%と最も多く、「10トン以上100トン未満」、「100トン以上500トン未満」および「1,000トン以上」がいずれも16〜17%となった(図17)。

 


 



(イ)仕入量の動向
 
令和6年度と比較した7年度の水あめの仕入量の動向は、「横ばい」が51%と最多であった。「大幅に増加」と「やや増加」が合わせて28%となり、「やや減少」と「大幅に減少」を合わせた18%を上回り、増加傾向がうかがえる(図18)。




 


 今後の仕入量の見込みは、「横ばい」が78%と最も多く、「やや増加」は17%、「やや減少」と「大幅に減少」が合わせて6%となった。

 過年度の調査結果を見ると、令和6年度は「やや減少」の回答割合が16%あったが、今回の調査では13ポイント減少し、「横ばい」の割合が14ポイント増加した(図19)。
 

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(4)ソルビトール

ア ソルビトールの用途
 
ソルビトールの用途を見ると、「菓子」が11件で最も多く、次いで「加工食品」が10件、「調味料・調味食品」が3件で続いている(図20)。




 

イ ソルビトールを使用する理由
 
ソルビトールを使用する理由としては、「甘味調整(甘さを加える)」が13件で最も多かった。次いで「食感向上」が11件、「離水防止」が6件、「風味調整」と「甘味抑制(砂糖との比較)」がともに5件で続いている(図21)。

 


 

ウ ソルビトールの仕入価格の動向
 
1キログラム当たりの仕入価格(令和7年10月時点)を見ると、「200円以上」が42%で最も多く、次いで「150円以上200円未満」が24%となった。経年で見ると、令和5年度以降、150円未満の価格帯は見られず、「200円以上」の価格帯が4割強を占めている(図22)。
 



 


 令和6年度と比較した7年度の仕入価格が変動した場合の理由について、33社中7社から回答があった。

 7社のうち、「市場相場の変動によるもの」と「為替相場の変動によるもの」がともに3社となった。このほかの1社は、「人件費、物流費の高騰」と回答した。

エ ソルビトールの仕入量の動向
(ア)直近1年間の仕入量
 
令和7年度の仕入量を見ると、「5トン未満」が36%で最も多かった。次いで「5トン以上20トン未満」が24%、「50トン以上100トン未満」が12%となった(図23)。
 



 


(イ)仕入量の動向
 
令和6年度と比較した7年度のソルビトールの仕入量の動向は、「横ばい」が39%と最も多かったものの、「やや減少」と「大幅に減少」を合わせると33%に上り、「大幅に増加」と「やや増加」を合わせた21%を上回り、減少の方が高くなった(図24)。

 



 今後の仕入量の見込みは、「横ばい」が91%と大半を占めており、「やや減少」が6%であった。

 過年度の調査結果を見ると、直近3カ年度は「横ばい」の回答割合が最も多くなっている。令和5・6年度調査では「増加」する見込みとの回答もあったが、7年度調査ではなかった。仕入価格が高価格帯に移行していることも、一因と考えられる(図25)。
 

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(5)調達面の評価

 各甘味料に対する原料調達の評価について、「満足」、「やや満足」、「普通」、「やや不満」、「不満」の5段階で回答を求めた。

 令和7年度調査では、「黒糖」、「水あめ」および
「ソルビトール」では「普通」が8割台と最も多くなっているものの、6年度調査に比べると、全体的に「満足」と回答した割合が低下し、「普通」、「やや不満」および「不満」と回答した割合が増えている。(図26)。

 「黒糖」と「ブドウ糖」における具体的な不満の要因として、「国内産は必要量が出回っていない」、「国内産の入手が困難、調達リスクがある」、「国内産の価格差が大きい」などが挙げられた。

 「水あめ」では、「価格の上昇」のほか、「ローリー車による納品、車両確保が難しく納期の調整がある」など物流に関する課題も挙げられた。
 


 
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おわりに

 本稿では、黒糖、ブドウ糖、水あめ、ソルビトールの4種類の甘味料について、用途、使用理由、仕入価格および仕入量の動向などに関する令和7年度を対象とした調査結果を整理した。

 人件費・物流費・原材料費の高止まりや為替相場の影響により、甘味料の仕入価格はいずれも高価格帯へ移行しており、食品メーカーにとって厳しい状況が続いている。

 一方、仕入量の動向を見ると、4種類すべての甘味料で「横ばい」との回答が多く、それぞれの甘味料の持つ独自の風味や機能性の面などから、価格上昇局面にあっても仕入量は維持されていることが伺える。

 原料調達面の評価では、「普通」が最も多かったものの、国内産の供給量や物流面での課題も指摘された。

 消費者の節約志向や人口減少による消費動向への懸念がある一方で、インバウンド需要は引き続き堅調と見込まれており、当機構としては、今後も市場環境の変化を注視しつつ、各種甘味料の需給動向を継続的に把握することとしたい。

 最後に、お忙しい中、本調査にご協力いただいた企業の皆さまに、改めて厚く御礼申し上げます。
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8678