まめ知識
【まめ知識】国内産でん粉あれこれ〜産地と用途〜
最終更新日:2024年7月5日
広報webマガジン「alic」2024年7月号
みなさんは、食用の「でん粉」についてどのくらいご存じでしょうか。
でん粉は、とうもろこし、いも、葛(くず)などを原料として作られ、食品に弾力性・保水性を持たせることや、甘さを出すために、さまざまな用途で利用されています。
現在、国産原料で生産されているでん粉のほとんどは、いも(じゃがいも、さつまいも)から作られるでん粉です。国内需要に占める国産いもでん粉の割合は約1割ですが、需要者からは根強いニーズがあります。
じゃがいも(ばれいしょ)でん粉は北海道のでん粉工場で作られており、北海道で生産されるじゃがいもの約40%がでん粉原料用として仕向けられています。じゃがいもでん粉は、水に溶かして熱を加えると次第に粘性のある液体へと変化し、保水性が向上します。みなさんが普段料理をする際に利用する片栗粉のほとんどは、実はじゃがいもでん粉を原料として作られているのです。
一方、さつまいも(かんしょ)でん粉は鹿児島県のでん粉工場で作られており、その原料となるさつまいもは鹿児島県や宮崎県で生産されています。でん粉用の原料となるさつまいもの品種は、私たちが普段食べている赤紫色のさつまいもよりも一回り大きくて肉色が白く、でん粉の含有量が多いのが特徴です。
さつまいもでん粉の多くは糖化用として清涼飲料水などに利用されていますが、食品に加えることで弾力のある食感やのどごしが良くなるほか、サクサクとした食感を与える特性を生かし、冷麺や練り製品、えびせんべいなどにも使用されています。
国内産いもでん粉と輸入されるでん粉との間には、価格差があります。そのため、alicでは、輸入でん粉やでん粉用の原料として輸入されるとうもろこしから調整金をいただき、これを財源として国内のでん粉原料用いもの生産者やいもでん粉を製造する事業者に支援を行っています。
alicホームページでは、でん粉に関するさまざまな情報や動画を紹介していますので、ぜひご覧ください。
(特産原料課)
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196