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消費の責任、食の選択、「食生活・ライフスタイル調査〜令和5年度〜」(農林水産省)から思うこと

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最終更新日:2024年10月7日
広報webマガジン「alic」2024年10月号
 農林水産省は6月、「食生活・ライフスタイル調査〜令和5年度〜」の調査結果を公表しました。
 この調査は、「ニッポンフードシフトの取組の一環として、消費者の日常の消費行動や、食や農に対する意識、普段の食事の実態等を把握すること」を目的として毎年実施されています。
<農林水産省:ニッポンフードシフト>
 北欧では、小学校から学ぶ「消費者教育」というものがあります。消費者が購入する一つの製品やサービス、その1つずつの購入に係る影響と責任を考えるもので、消費者の義務として捉えられています。なぜならば、購買行動の一つ一つが、自分たちの社会を変え、国を変え、そして、国の産業を守り、また、世界を変えるものとなるからです。
 日本における「ニッポンフードシフト」もそこへ繋がっています。今回の記事では、このような視点を踏まえて、いくつかの調査結果をご紹介いたします。

ふだんの買物で重視すること

Q  あなたが、ふだん買物をする際に重視していることを以下からすべてお答えください。 【全体】(複数回答)
ふだんの買物
 「同じような商品であれば出来るだけ価格が安いこと」が最も高い結果となりました。しかし、二番目は、「できるだけ日本産の商品であること」が高くなっており、消費者の方が少なからず産地をきちんと意識して選択していることが分かります。

食に関して重視していること(ふだんの買物で重視していることとの比較)

Q あなたが、食に関して重視していること(食品の購入や外食をする際に重視していること)はどのようなことですか。【全体】(複数回答)
食で重要視
 一つ前の質問であった「ふだんの買物」と同様に「食」においても、「同じような商品であれば出来るだけ価格が安いこと」が最も高い結果となりましたが、「できるだけ日本産の商品であること」は、「食」に関する方が、若干意識が高いという結果となりました。これは、口にするものは「安全・安心」へと繋がる日本産であることを、重要視しているためと考えられます。

現在の日本の農業の課題の認知

Q 現在の日本の農業の課題として、あなたが知っているものを以下からすべてお答えください。【全体】(複数回答)
課題
 「食品ロスの削減」について、6月に農林水産省と環境省から、「2030年の事業系における目標数値を令和4年度に達成した」と発表しましたが、この調査でも認識度が高いことが分かります。達成できた要因の一つとして、「知ってもらうこと」があったのではないでしょうか。「知ってもらうこと」の重要性を感じます。
 また、「食料品価格の上昇」は、実感として感じるものとして高く出ていると思われますが、同時に価格上昇の要因の一つである「エネルギーや資材高騰による生産コストの上昇」についても比較的認知されている結果となっており、消費者の方から価格上昇について、課題として一定の理解を得ているのではないかと思われます。
 ただ、誌面上、表の掲載はしていませんが、年代別に見ますと、年代が若くなればなるほど、認知度は低くなっており、若い方にも農業への関心を持って頂きたい当機構としましては、情報の伝達方法などに一層の工夫が必要だと感じます。

「食に対して感謝の気持ち」を感じるとき

Q あなたが「食に対して感謝の気持ち」を感じるのは、どのようなときですか?【全体】(複数回答)
感謝
 「感謝」は、「おいしい食材や料理を食べたとき」が最も高く、次に「旬の食材や季節を感じる料理を食べたとき」と続いています。

食事写真調査

 今回の調査で、興味深いのは、「食事写真調査」です。年代が高い方が、しっかりと食を摂られているよう見受けられますが、ご自身の食卓と比較していかがでしょうか。
 また、特徴的なのは、本人が予測する自給率が、実際より“高め”の評価となっていることです。国産を選んでいるようで、また、和食だから国産だろうと思っていても、案外と外国産も含まれているようです。
1食事
2食事
3食事

まとめ

 以上、農林水産省が実施した調査をご紹介しました。
 私たちは、飽食の時代と呼ばれた時期を経過し、新たな時代に入ろうとしています。その時代をどのような時代にするかは、自分たちが何を選び、購入し、消費していくかで決まっていきます。
 「食」は、生活を豊かにする重要な要素の一つですが、私たちが商品を選ぶとき、「これを消費することで、どんな影響があるのだろうか。」と考えることができたら、今日、手にする商品が変わるかもしれません。
 また、『「食に対して感謝の気持ち」を感じるのは、どのようなときですか?』という質問をみますと、「感謝」は平時には感じにくく、「特別」なときに感じるように思われました。当機構は、農畜産物の安定供給を目指して日々業務を行っていますが、「当たり前にある」ための努力、工夫、そして、仕組みなどを知ってもらい、当たり前にある食にも、常に何か特別なストーリーがあることこを、今後もお伝えしていきたいと思います!
機構は、ニッポンフードシフトパートナーとして、その活動を応援しています!
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196