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今月の野菜:さといも

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最終更新日:2024年12月5日
広報webマガジン「alic」2024年12月号
さといも
さといもは、秋から冬が旬の野菜、これからますます美味しくなる季節到来です!

古くからある身近な野菜として

<きぬかつぎ>
 さといもが日本に伝来したのは、稲より早い縄文時代と言われています。山で自生する「山いも」に対し、里で栽培される「里いも」からこの名前がついたと言われています。

 江戸時代に、「かんしょ」や「ばれいしょ」が渡来するまで「いも」と言えば、このさといもでした。
 かつては、野菜の中で国内生産量の第3位でしたが、食の欧風化や中国からの冷凍さといもの輸入等の影響により需要と供給が変化し、栽培面積、生産量とも減少しています。
 しかし、古くから日本にあり、身近な野菜として、文化とも結びつきが強い大事な野菜です。
 旧暦8月15日の月見は、芋名月ともいい、皮ごとゆでたさといもを供えます。平安時代の女性の被り物「きぬかずき」を思わせるので、皮ごとゆでたさといもを「きぬかつぎ」とも呼びます。
 また、さといもは、植えた種いもに親いもができ、そこに子いもがつき、その周りに孫いもが分球していくため、子孫繁栄の縁起物としておせちなど祝い事にも使われます。東北地方では、収穫を祝う行事として芋煮会が行われます。

最近の生産状況

 そんな私たちにとって、欠くことのできないさといもですが、2022年の国内出荷量は約9万4千300t、輸入量は、生鮮が約2千トン、冷凍が約3万1千トン、また、輸出もわずかですが41トンされています。
 おもな輸入先国は、中国で、輸入量の約9割が冷凍さといもとして輸入されています。冷凍さといもは、一次加工(皮が剥かれている。カットされている。下茹でされている等)がされているため、業務用では利便性が高く、広く利用されています。
 しかし、近年は、中国における人件費や肥料等の生産費が増加していること、海外市場の需要減少等の影響を受け作付面積が減少しており、日本の輸入量も減少傾向となっています。
グラフ

ぬめりに力あり!

 さといもの特徴的なぬめりは、水溶性食物繊維の「ガラクタン」です。ガラクタンは、免疫系に働きかけ、がん予防や感染症予防に効果が期待されています。また、水溶性食物繊維は、血糖値や血中コレステロールを抑える働きがあります。そのほか、カリウムが豊富に含まれているので、余分なナトリウムを排出する働きがあり、高血圧の予防につながります。さらに、いも類のなかでもエネルギーが低いので、ダイエットにも効果的ですね。
 
〇ポイント
 熱帯生まれのさといもは、低温が苦手です。保存は、冷蔵庫ではなく日の当たらない涼しいところで、常温で保存が適しています!

 
◆さといもの世界をもっと知りたい方はこちらへ
 ・野菜情報 2024年12月号 今月の野菜「さといも」
 ・野菜情報 2024年12月号 愛媛県 JAおちいまばり 〜しまなみ彩野菜(伊予美人<さといも>)の取り組みについて〜

 
さといも料理
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