最終更新日:2026年4月6日
広報webマガジン「alic」2026年4月号
そらまめの名の由来は、空に向かってさやが実ることから「空豆」という字があてられたと言われています。地域によっては、「蚕豆」とも記述され、さやが蚕に似ていること、または、繭を作る時期においしくなることからそのように呼ばれ、また、おいしくなる時期の4〜6 月という季節にちなみ、「四月豆」、「五月豆」、「夏豆」などさまざまな名前で呼ばれています。
まさに今が旬のそらまめをご紹介します。 |
概要
そらまめは、マメ科の一年草で、北アフリカ、地中海、カスピ海沿岸、北部アラビア地方の西南アジアが原産地といわれています。古くから食用とされており、イスラエルの新石器時代の遺跡からも出土しています。そらまめは古代エジプトやギリシア、ローマでも食べられていました。エジプトやトロイ遺跡から化石が出土しており、世界最古の野菜の一つとされています。紀元前3000年以降中国に
伝播し、日本へは8 世紀頃渡来したといわれています。インド僧・
菩提仙那が渡日し、行基に贈ったのが始まりともいわれています。
史実においてこの作物が初めて記録に登場するのは、江戸時代の『
多識篇』(1631年)で、そこで「蚕豆(そらまめ)」として記述されています。
さらに『農業全書』(1697年)には次のように、その有用性が述べられています。
「百種の穀物の中でも特に早く熟し、青いうちからさやごと煮て菓子にもできる。また麦より先に収穫できるため、飢饉の年にはとりわけ人々の助けとなる。麦と合わせて飯にしてもよく、あるいは粉にして餅に作り食べるのもよい。」
参考:農林水産省
生産・流通
そらまめは、秋に種をまき春に収穫を迎えます。寒さに強く暑さに弱い野菜で、高さ1m ほどに成長し、3〜4月に花が咲き、5〜6月に収穫となります。まめの熟れ方がちょうど良いのは3日間といわれるほど、おいしい時期が短いそらまめでしたが、品種改良、栽培技術の向上、予冷・保冷技術の進歩や流通の改善で、秋以外は一年中出回るようになりました。
在来品種は小粒でしたが、現在の主流は、大粒品種の打越一寸、仁徳一寸、陵西一寸などです。この品種名につく「一寸」というのは、豆の大きさが一寸、およそ3センチの大粒になるという意味です。
2024年の作付面積は約1千430ha、収穫量は約1万2千トンとなっています。作付面積は、20年前の2004年と比べて約半分にまで減少しています。特に主産地である鹿児島県の作付面積が約31%減と大きく減少しています。これは、作柄不安定なことや価格の下落により、スナップエンドウなどへの品目転換が進んだからとのことです。
参考文献:2016年度日本地理学会春季学術大会 東京学芸大学 岡村 星児 「鹿児島県指宿市におけるそらまめ生産地域の変容」
<資料:農林水産省「野菜生産出荷統計」>
県別に作付面積を見ると、第一位が千葉県、次いで鹿児島県となっています。また、収穫量では、第一位が鹿児島県、次いで千葉県となっています。上位5県の収穫量が全体の約6割を占めており、産地が限定されていることが分かります。
<資料:農林水産省「野菜生産出荷統計」>
市場入荷量を見ると、東京都中央卸売市場も大阪市場も季節性が高い品目であることが分かります。
鹿児島県からのハウス栽培の出荷が12月から始まり、1月からは本格的な出荷となります。その後、他県からの露地栽培の出荷が始まり、概ね6月ごろには出荷が終了します。店頭で見ると、春を感じる野菜の一つです。
<農畜産業振興機構「ベジ探」、原資料:令和6年東京都中央卸売市場年報>
<農畜産業振興機構「ベジ探」、原資料:令和6年大阪市、大阪府中央卸売市場年報>
栄養
そらまめは、豆類特有の各栄養素を豊富に含むバランスの良い野菜で、エネルギー源となる糖質やたんぱく質を豊富に含むほか、糖質の代謝をサポートするビタミン B
1、美肌効果や抗酸化作用があり、鉄の吸収を高めるビタミンC など、ビタミンを多く含みます。そのほか、細胞の活動を正常に調整するカリウム、貧血を予防する鉄など、ミネラルも多く含みます。外して食べることが多い薄皮ですが、食物繊維の宝庫で、整腸作用が期待されます。
鮮度の良いものは、無理なく食べることができるので、薄皮も食べると効果的です。そらまめは、ビタミンやミネラルが豊富なため、疲労回復などに効果的です。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 総務部 (担当:総務広報課)
Tel:03-3583-8196