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野菜の契約取引について

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最終更新日:2026年8月5日
広報webマガジン「alic」2026年8月号
野菜生産者が4人並ぶイラスト

1 野菜の契約取引ってなに?

 近年、外食や調理済み食品といった食の外部化を背景に、野菜の需要は家庭内調理向けから加工・業務用向けに徐々にシフトしています(図1)。今後も、高齢化や共働き家庭の増加などを背景に、「経済性志向」や「簡便化志向」といった傾向が続くと考えられ、より効率的なサプライチェーンを含む供給の仕組みを構築していく必要があります。 


<図1 野菜(注1)の需要量に占める加工・業務用野菜の割合>
加工・業務用野菜の割合
   資料:農林水産省「野菜をめぐる情勢(令和8年7月)」より引用
 
     (注1):調査時における指定野菜(消費量が多い国産野菜であるため、生産や出荷を安定させて、
     消費者のみなさんがいつでも野菜を食べられるように国が指定)が対象。
                                           
 
 そこで活躍しているのが「契約取引」という、生産者が市場を介さず外食用や加工・業務用などの野菜を実需者に販売するという直接取引を行う仕組みです。これらの食材は、大きさ、形状、加工の度合いなど、用途に応じて様々な商品規格があります。その多種多様の規格に合致した野菜を生産者から直接購入できれば、実需者は調達コストの削減や安定した野菜の数量・品質の確保などのメリットが生まれ、野菜生産者はコストに見合った価格や需要に応じた計画的な作付けといった経営の安定に繋がりやすいとされています。

<(参考) スーパーで販売されるカット野菜>
スーパーで販売されるカット野菜


 

2 契約取引をしている野菜生産者の紹介

 香川県の株式会社尾野農園(代表取締役社長 尾野弘季)では、善通寺市、丸亀市及び仲多度郡多度津町にまたがる約25haのほ場で、主に加工用の青ねぎを栽培しています。県土の狭い香川県では、同農園のようにほ場のすぐ後ろに住宅地があり、車の交通量も多い、いわゆる都市近郊型農業が多く見受けられます(写真1)。

<写真1 ほ場の周辺に住宅が立ち並ぶ様子>
ほ場の周辺に住宅が立ち並ぶ様子
 
 加工・業務用野菜の国内需要の増加に伴い、同農園では耕作放棄地となった水田を借り受け、有効活用することで規模を拡大しています。またその一方で、尾野さんはもともとエンジニアとして活躍された経験を生かし、感覚に頼らず過去の天候や作業内容をデータベース化することで、農業生産を科学的に分析し、安定的な供給量の確保を実現し、確実に業績を伸ばしています。今後は、人手の依存度が高いねぎの収穫後から出荷までの工程(写真2)において、省力化・生産効率を図るため、AI搭載の高精度な自動選別装置の開発を進めています。

<写真2 収穫後の調製・選別作業の様子>
収穫後の調整・選別作業


 そして、良好な取引を続けていくためには、「実需者に対して毎日ものを切らさず、計画的に出荷を続けることが大切。そのためには、ほ場を定期的に見回って収穫量を予測し、収穫量の減少が見込まれる場合は、実需者に事前に連絡をして発注量を調製してもらうなど、細やかな対応が欠かせない。」と尾野さんは言います。契約取引先である実需者との信頼関係を築くことが、契約取引をする野菜生産者にとって最も重要なことがわかります。そのため、野菜生産者は、天候不順などにより不作となった場合には、後述のalicの実施する事業(注2)なども活用しつつ、仕向先の変更や市場などからの調達により契約数量の確保を図っています。
 このような野菜生産者や実需者等における安定供給の働きが、私たちの食生活の安定に繋がっています。

(注2):尾野さんは後述の「契約指定野菜安定供給事業」の数量確保タイプを活用。
 

コラム:alicの取組み

(1)契約指定野菜安定供給事業と契約野菜収入確保モデル事業

 昨今の異常気象、特に夏場の高温などによって、夏季の出荷分の生育不良や秋冬作の()種・定植時の初期生育不良が発生したことによる出荷量の減少により、契約数量分を取引できないといったケースも生じていることから、それらの課題解決が求められています。alicでは、野菜生産者と実需者との国産野菜の契約取引を推進して、加工・業務用野菜の安定的な周年供給に向けた契約取引に伴う野菜生産者及び中間事業者(産地と実需者をつなぎ、産地から購入した野菜の選別・調製・加工等を行い実需者に安定的に供給するのみならず、加工・業務用需要に対応し得る産地を育成する機能を有する者)が負うリスクを軽減するため、図2、図3の事業を実施しています。図に記載されている「数量確保タイプ」は、出荷量の減少から契約数量を確保するための費用を一部補てんする制度として活用されています。



<図2 契約指定野菜安定供給事業ポスター>
契約指定野菜安定供給事業ポスター

 
<図3 契約野菜収入確保モデル事業ポスター>             
契約野菜収入確保モデル事業ポスター

(2)ベジマチ〜国産やさいの生産者と実需者を結ぶマッチングサイト〜

 加工・業務用をはじめとする国産野菜の契約取引拡大を目的に、alicでは、全国の野菜生産者と実需者をつなぐ国産野菜マッチングサイト「ベジマチ」を運用しています。本サイトは、国産野菜の安定供給・販路拡大を実現したい野菜生産者と、国産野菜を求める実需者の双方に役立つ無料のプラットフォームです。登録された野菜生産者及び実需者の情報をデータベース化しており、オンライン上での商品紹介、取引条件の確認、商談に向けた情報交換が可能です。

 現在、全国から多くの会員が登録しており(7月10日現在の会員数1,327者(生産者773者、実需者554者))、国産野菜のBtoB取引を推進する専門サイトとして活用されています。契約取引を始めよう、拡大しようとされている方におかれましては、ぜひご活用下さい。

 
※「ベジマチ」のサイトにこちらからアクセスできます。
(QRコードをクリックして頂いてもアクセスできます。)
全国の野菜生産者と実需者をつなぐ国産野菜マッチングサイト「ベジマチQRコード
 
(野菜振興部契約取引推進課
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 総務部 (担当:総務広報課)
Tel:03-3583-8196