2020/21年度、砂糖生産量はわずかに増加する見込み
2020/21年度(4月〜翌3月)のサトウキビの収穫面積は、36万ヘクタール(前年度比1.0%減)とわずかに減少すると見込まれる(表7)。サトウキビ生産量は、記録的な猛暑と少雨に見舞われた2019年ほど極端な天候にはならないとの前提の下、3090万トン(同2.9%増)とわずかに増加すると見込まれる。
砂糖生産量は、前年度の減産からの反動が押し上げ要因となり、433万トン(同1.1%増)とわずかに増加すると見込まれる。砂糖の国際価格の低迷で輸出が鈍る可能性もあるが、インドの輸出の落ち込み
(注)に伴い代替調達先としての恩恵を受けるとみられることから、輸出量は332万トン(同0.1%減)と横ばいで推移すると見込まれる。
(注)本誌「砂糖の国際需給−3.世界の砂糖需給に影響を与える諸国の動向(2020年4月時点予測)−」のインドの項を参照。
クイーンズランド州の生産者団体、州政府に対し電気料金の引き下げを求める
クイーンズランド州のサトウキビ生産者が組織する団体CANEGROWERSは4月2日、クイーンズランド州政府に対し、農業用施設などに設定されている電気料金の引き下げを求める声明を発表した。これは、近年、少雨傾向が続き、干ばつリスクが高まったことを受け、同州ではかんがい設備の整備が進んだものの、高止まりした電気料金が農業経営を圧迫するようになってきたことが背景にある。加えて、同州政府は、電気料金を現状より5%安くする検討を始めたが、その対象が家庭用や中小事業者の施設に限られ、農業用施設が対象から外れたことも、サトウキビ生産者の不満を招いた。
同団体は、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が拡大する中にあっても、われわれは日々懸命に働き、安定的な食料供給に貢献している」と主張し、生産継続の支障となっている電気料金を一刻も早く引き下げるよう強く求めた。