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4 日本の主要輸入先の動向(2025年3月時点予測)

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最終更新日:2025年5月9日

4 日本の主要輸入先の動向(2025年3月時点予測)

2025年5月


 近年、日本の粗糖(甘しゃ糖・分みつ糖<HSコード1701.14−110>および甘しゃ糖・その他<同1701.14−200>の合計)の主要輸入先は、豪州およびタイである。2024年の主要輸入先の割合を見ると、豪州が90.2%(前年比1.4ポイント減)、タイが9.7%(同1.3ポイント増)と、両国でほぼ全量を占めている(財務省「貿易統計」)。
 

2025/26年度の砂糖生産量と輸出量はかなりの程度増加する見込み
 
2025/26年度(4月〜翌3月)のサトウキビ収穫面積は、35万ヘクタール(前年度比0.0%増)と前年度並みが見込まれている(表)。サトウキビ生産量は、一定の労働力が確保され、前年度と比較してより生育に適した季節的条件が整うとの見通しから、2940万トン(同5.8%増)とやや増加が見込まれている。しかし、25年1月末以降にサトウキビ生産の9割を占めるクイーンズランド州では豪雨による洪水が発生しており、年間約450万トンのサトウキビが収穫される同州ハーバート地域では、最大100万トンのサトウキビの収穫機会が喪失したと推定されている(注)。洪水被害の影響はサトウキビの収穫開始までは十分に把握できないとされており、また、サトウキビが新植される場合には十分なサトウキビの成長期間を確保するために、25/26年の収穫が12月の収穫期の終了間際まで続く可能性が高いと見込まれている。

 砂糖生産量は、サトウキビの増産などにより、400万トン(同6.0%増)とかなりの程度増加が見込まれている。砂糖輸出量は、アジア地域向けを中心に引き続き多くの需要があることから、300万トン(同7.8%増)とかなりの程度増加が見込まれている。

(注)クイーンズランド州の洪水被害の詳細については、2025年2月14日付け海外情報「主産地での洪水によりサトウキビ生産に大きな被害(豪州)」<https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_004033.html>、3月12日付け海外情報「豪州、砂糖の中期的見通しと洪水被害の状況(豪州)」 
https://alic.go.jp/chosa-c/joho01_004056.html>、3月26日付け海外情報「洪水被害を受けたサトウキビ生産者に対し、追加支援を決定(豪州)」<https://alic.go.jp/chosa-c/joho01_004071.html>をご参照ください。

 



 

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2024/25年度の砂糖生産量はかなり大きく、輸出量は大幅に増加する見込み
 
2024/25年度(10月〜翌9月)のサトウキビ収穫面積は、167万ヘクタール(前年度比10.0%増)とかなりの程度増加が見込まれている(表)。サトウキビ生産量は、収穫面積の増加と良好な気象条件により、9210万トン(同12.1%増)とかなり大きな増加が見込まれている。

 砂糖生産量は、サトウキビの増産とCCS(注)の増加により、1057万トン(同13.5%増)とかなり大きく増加することが見込まれている。砂糖輸出量は、インド産やブラジル産の輸出量減少が見込まれる中、砂糖の増産を背景に778万トン(同32.1%増)と大幅な増加が見込まれている。特にタイの主要輸出先であるインドネシアでは、ラマダン(断食月:25年は2月28日から3月29日まで)に先立ち国内の砂糖価格が上昇したことから、砂糖輸入量が増加した。

(注)可製糖率:サトウキビのショ糖含有率、繊維含有率および搾汁液の純度から算出される回収可能な糖分の割合。
 



 

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