まめ知識
【まめ知識】「スポーツと糖質〜アスリートの基本の食事〜」のご紹介
最終更新日:2024年11月5日
広報webマガジン「alic」2024年11月号
皆さんは、普段糖質オフ商品を口にすることはありますか。 昨今、買い物に行くと糖質を抑えた商品をよく目にします。
本当に糖質の摂取は抑えるべきことなのでしょうか?今回はその答えを探すべく、「砂糖類・でん粉情報」2024年7月号に掲載された順天堂大学医学部附属浦安病院 公認スポーツ栄養士 小池(本多)ゆみえ先生の「スポーツと糖質〜アスリートの基本の食事〜」という記事の中でなるほどと特に感じた部分の概要を紹介します。
なお、以下の概要文は、本文を要約したものです。 (本文をご覧頂く場合は、砂糖・でん粉情報 2024年7月号「
スポーツと糖質〜アスリートの基本の食事〜」にアクセスしてください。)
1. アスリート(スポーツをする人)にとっての食事の役割・重要性
(1)アスリート食の基本
アスリート食の違いは、摂取する食事の量と「
栄養フルコース型の食事」(図1)をとることです。一般の人は主食、主菜、副菜(2品程度)を3食ともそろえ、果物、牛乳・乳製品は1日のうちで1〜2回食べると良いとされているのに対し、アスリートはこれらすべてをそろえたパターンを毎食摂ることが望ましく、「
栄養フルコース型の食事」と呼んでいます。
(2)主食の糖質の重要性
この中で最も重要なのは主食です。ご飯やパン、麺などの穀類からは糖質を摂取でき、運動時のエネルギー源になります。確かに筋肉合成にはたんぱく質が主な材料となり、筋肉を増やすことはパフォーマンス向上のために大切です。しかし、何よりもエネルギー源が無ければ、その筋肉は動かないし、筋肉を増やしていくにもエネルギー源が必要です。
車にたとえるなら、糖質はガソリンの役割を担っているのです。
下表を見て、同じ重さを摂取した時、100gで一番太らないものは何でしょうか?
太ると身体に何が溜まるのでしょうか?
そう「脂肪」です!
太らないためには、食事からの脂質を少なくすることが重要で、アスリートは、エネルギー源となるご飯やうどんといった主食をしっかり食べ、高糖質・高たんぱく質・低脂質の食事で余分な脂肪をつけないように心がけています。糖質は、最優先に使われるエネルギー源で、必要な量を摂っていれば真っ先に消費されるため太ることはありません。
2. ジュニアアスリートや地域のスポーツクラブで活動する子どもたちの食育
(1) 成長のための栄養を優先
ジュニアの世代は、スポーツをしている・していないにかかわらず、発育・発達のために食事はとても重要です。
成長期のジュニアアスリートのエネルギー摂取の考え方として正しいのは、生きるため・生活のためのエネルギーが最優先で、その次に発育・発達のためのエネルギー、そして最後に運動のためのエネルギーの順で優先度を考えて確保することです(図2)。
成長のためのエネルギーが後回しになってはいけません。「アスリートの食事」で述べたように「毎食」、主食、主菜、副菜をそろえた食事をバランスよく摂ることが大切です。身近なところでは学校給食が参考になると思います。
(2)朝食摂取の重要性
幼児期から学童期、思春期は正しい食生活の確立に大変重要な時期です。正しい食習慣の確立のために、まずは朝食をしっかり食べることが重要です。朝ごはんは何かと忙しく大人でも簡単に済ませてしまいがちですが、ご飯とふりかけのみのような食事では足りない栄養素を残り2食でとらなければならなくなります。
図3に簡単に取り入れられる朝食ちょい足しメニュー例を示したので、参考にしていただきたいです。
3食しっかり栄養バランスの整った食事を摂り、子どもが健全に成長しているか親がその評価をできるようになってほしいと思います。
3.おわりに
先日子どものおやつを糖質オフで作っている動画をYoutubeで見かけました。子どものおやつは3食では摂りきれない栄養素やエネルギーを補うためのものです。
摂り過ぎがよくないのはもちろんですが、むしろエネルギー源である糖質をおやつでしっかり補給することは成長につながります。運動していればなおさら、糖質はとるべき栄養素です。大人にとっても子どもにとっても糖質は最重要栄養素です。
不確かな情報に惑わされず、「適正な糖質摂取」が広まることを願っています。
(特産調整部 輸入調整第一課)
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196