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今月のやさい:やまのいも

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最終更新日:2025年2月5日
広報webマガジン「alic」2025年2月号
 やまのいもは、冬から春が旬の野菜です!

概要

 東南アジアを始めとして、広く食用されているヤマノイモ科ですが、日本で出回っているものは「自然薯(じねんじょ)」、「山芋(やまいも)」、「大薯(だいじょ)」の3種類です。

 この「自然薯」は、日本が原産国で、北海道南西部から本州・四国・九州・沖縄まで山野に自生しているなじみ深い野菜です。「山芋」は、中国が原産とされていますが、日本にも縄文時代後期には存在していたと言われています。また、「大薯」は、東南アジアが原産で、沖縄県などで栽培されています。
 
  現在、栽培品種の主流となっているのは「山芋」です。山芋は、形によって円筒形をしている「ながいも群」、扇平形の「いちょういも群」、球形の「やまといも(つくねいも)群」に分けられ、「ながいも群」が最も多く生産されています。
種類

生産と流通

 ながいもの主な産地は、北海道と青森県が突出して多く、第3位に長野県、第4位に千葉県と続きます。2大産地の北海道と青森県の2県で生産量のおよそ8割を占めています。

 令和4年の生産量はやや減少しましたが、一定の数量を維持しています。多くの野菜の品目で生産量が減少するなか、ながいもが維持できているのは「輸出」が成功していることが一因といえます。
 
 また、ながいもは、地中深くで生育することから、ほ場をよく耕しておくことが大切です。種いもを植えるときにはトラクターなどに装着したトレンチャー(溝などを掘削する機械)を使用して、幅15センチ、深さ1メートル程度に耕します。秋も深まり葉や茎が黄色くなり、枯れてきたら収穫となります。11月〜12月にかけてパワーショベルや専用の機械で深い穴を掘り、傷つかないよう丁寧に収穫します。
 
資料:農林水産省「野菜生産出荷統計」、財務省「貿易統計」
 国内生産量の8割を占める北海道と青森県の2大産地は、輸出を積極的に行っています。主な輸出先は、台湾と米国です。中国で「ながいも」は「山薬(さんやく)」と呼ばれ、肺や腎臓の働きを補う滋養強壮剤の漢方薬として利用されていることから、台湾でも需要が高いです。また、台湾に輸入していた商社が米国にも持って行ったことから、米国向けの輸出が始まり、主に東南アジアにルーツを持つ人々向けに需要があるとのことです。日本産のながいもは、品質が高く人気なようです。
 
資料:農畜産業振興機構「ベジ探」(原資料:財務省「貿易統計」)

栄養

 やまのいもは、中国では肺や腎臓の働きを補う滋養強壮剤の漢方薬として利用されており、高血圧の予防に効果があるカリウム、マグネシウムなどのミネラルや、ビタミンB 群、ビタミンC などをバランス良く含みます。

 昔から「とろろ麦飯は何杯食べても腹を壊さない」といわれるのは、でん粉の分解酵素であるジアスターゼを豊富に含んでいるからで、胃腸の働きを促す効果が期待できます。熱に弱い酵素の働きを失わないよう、調理の際にとろろを薄めるときは、熱いだし汁を使わないようにしましょう。
 また、ぬめりの成分であるマンナンなどの水溶性食物繊維は、胃粘膜を保護する働きがあり、胃腸の調子を整えるといわれています。
 
レシピ
◆やまのいも世界をもっと知りたい方はこちらへ
・野菜情報 2025年2月号 今月の野菜「やまのいも
・野菜情報 2025年2月号 産地紹介 岩手県 JA新いわて 〜みちのく風土で育った純情ながいも〜
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196