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最終更新日:2008年12月2日
料理に砂糖を使うと、甘味が出るだけではありません。砂糖の特徴のひとつに親水性、つまり水と結合しやすいという点があります。200ccのお湯に、なんと1kgもの砂糖が溶けてしまうのです。砂糖は、この特徴を生かして次のような様々な効果を生み出します。
脱水作用
ココアの粉の中に、あらかじめ砂糖を混ぜておくと、ココアの粒の間に入り込んだ砂糖が水を引きつけて、「ダマ」(粒状のかたまり)になりません。
保水性
きんとんを作るとき、砂糖を入れてサツマイモをゆでると、冷めても水分が逃げないので裏ごしが楽にできます。また、ビーフシチューを煮るとき、あらかじめ肉に砂糖をもみ込んでおくと、砂糖が水を引きつけ、肉の組織のコラーゲン(タンパク質の一種)に水を結びつけて溶かすので早く柔らかくなります。
また、それ以外にもこのような働きもしています。
酸化防止効果
油を使った食品が古くなって、味が悪くなったりイヤな臭いがしたりするのは、油が空気中の酸素と結合し劣化するからですが、砂糖を加えると油の中の水分が砂糖と結合して酸素が溶け込みにくくなります。
パンの発酵促進
パンがふくらむのは、イースト菌(酵母)の働きによって発生する炭酸ガスのためです。酵母は糖分を栄養源としていますが、小麦粉中の糖分だけでは十分に発酵をさせるには足りません。パン生地に砂糖を加えると、発酵しやすくなりパンは大きくふくらみます。
メイラード反応
(アミノカルボニル反応)
パン、クッキーなどにこんがりとした焼き色がつくのは、糖が小麦粉、牛乳、卵などに含まれるアミノ酸と反応してできる物質のためで、この反応をメイラード反応と呼びます。
他にも、砂糖の働きを生かした、こんな使い方もあります。
このように、料理に砂糖を使うことによって、体に必要なエネルギーを摂取するだけでなく、味わいや食感、仕上がりの美しさなどを演出することが出来るのです。