砂糖と健康
最終更新日:2008年12月2日
砂糖は人体の活動にどのようにかかわっているのですか?
甘味料として使われることの多い砂糖ですが、ご飯と同じ糖質(炭水化物)で、生命を維持し、健康に活動するためのエネルギー源として利用される栄養食品です。
特に、糖質の中でも砂糖はすみやかに消化吸収されるため、スポーツなどの激しい運動をした後の疲労時には、栄養補給に高い効果を発揮します。
脳や神経が働くときに、エネルギー源として利用できるのは、砂糖などが分解してできるブドウ糖だけです。このため脳や内臓、筋肉が活動するには、糖質を補給してやらなければならないのです。
砂糖が白いのは、漂白剤を使っているのですか?
“砂糖を作る”ということは、砂糖の結晶を取り出すということです。実際の砂糖の結晶自体は無色透明ですが、砂糖が白く見えるのは、雪が白く見えるのと同じで、結晶が光を乱反射して白く見えているのであり、漂白剤を使っているわけではありません。
砂糖を食べると太るといいますが、本当ですか?
砂糖を食べると肥満になると考えている人がいますが、肥満の原因は、エネルギー消費量に対して、過剰なエネルギー源を摂取するためです。
肥満を防ぐためには、普段から適度な運動をすることでエネルギー消費を高め、いろいろな食品をバランス良く、かつ、適量を摂取することが大切です。
砂糖を食べると虫歯になるって本当ですか?
砂糖だけでなく、パンやご飯などの糖質を含む食品を摂り、その食べカスが長時間口の中に残ると、その糖分を、口の中に住んでいる「ミュータンス菌」という細菌が歯垢という物質に変えます。その歯垢が歯の表面に残ると、細菌を増殖させ、さらに増殖した細菌が、歯の表面のエナメル質を溶かす物質を出すことによって虫歯を作るのです。
虫歯を防ぐにはどうすればよいのですか?
虫歯ができるまでには時間がかかります。食べた後にすぐ歯を磨けば、食べカスは口に残らず細菌も増殖できません。
つまり、砂糖を含めた糖質の食品を食べることだけに問題があるのではなく、食後に細菌が増殖して歯垢を作る環境を作らないこと、すなわち、食後に歯を磨くことを習慣づけることが大切なのです。
砂糖が体の中のビタミンB1を破壊するというのは本当ですか?
ビタミンB1は、糖質が体の中で分解してエネルギーになるときに大切な働きをしています。そのために、ご飯やパンなど炭水化物を多く含む食品をたくさん食べると、同時にそれを分解してエネルギーにかえるためのビタミンB1の必要量も多くなるということです。決して、砂糖などの糖質が直接ビタミンB1を破壊するということではありません。
砂糖は酸性食品ですか?
毎日食べる食品の中には、酸性やアルカリ性のもとになる物質がたくさん含まれていますが、人間の体は、常に弱アルカリ性に保たれるようにできています。
砂糖は成人病と関係があるのですか?
一般的に、心臓病はコレステロールやエネルギーの摂り過ぎによる肥満が原因の一つであるといわれています。また、糖尿病は、遺伝的な素質が過食、肥満、運動不足などの後天的な要因と重なって起こるといわれています。中でも、最も重要な要因は肥満で、遺伝的な素質を持った人は、特にエネルギー源となる脂質や糖質の摂り過ぎに注意しなければなりません。