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人工甘味料について 

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最終更新日:2015年2月17日

はじめに

 今回は甘味料のうち、砂糖のように天然には存在せず、化学的な合成により製造される人工甘味料についてご紹介します。
 現在幅広く使用されている人工甘味料としては、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムKなどがあります。

人工甘味料の製造方法

(1) アスパルテーム
 アスパラギン酸とフェニルアラニンという二つのアミノ酸を結合させて製造されます。一部の工程に酵素を使用しながら、化学合成により製造されます。
 日本国内の大手食品メーカーが製造しているほか、輸入もされており、最近は中国産の製品も輸入されています。

(2) スクラロース
 砂糖に化学的な合成処理を行い、砂糖に塩素原子を3個加えて製造されます。
 日本国内で流通している製品は、大半がスクラロースを開発した英国企業系の輸入品です。

(3) アセスルファムK
 ジケテンという酢酸由来の物質と酸性洗浄剤などに利用されるスルファミン酸を反応させ、さらに無水硫酸を加えるなどの化学合成により製造されます。
 日本国内で流通している製品は、アセスルファムKを開発したドイツ企業系の輸入品が過半を占めています。最近は中国産の製品輸入が増えています。

人工甘味料の特徴

(1) 甘味の強さと質
 人工甘味料は砂糖の数百倍という高い甘味度を持ちます。甘味料を使う食品製造業者にとっては、砂糖に比べて甘味料の使用量が少なくて済むので、コストダウンにつながるというメリットがあります。
 ただ、アセスルファムKは特有の苦みを感じることがあるなど、人工甘味料の甘味の質は砂糖と全く同じというわけではないので、他の甘味料と併用して互いの甘味の質を補うことが少なくないようです。他の食品の不快な味を抑える(マスキング)目的で使用されることもあるようです。

(2) 体内での代謝
 アスパルテームは、原料がアミノ酸なので、タンパク質の食品に含まれるアミノ酸と同じように体内で消化・吸収されるとされています。カロリーは砂糖と同じ1グラム当たり4キロカロリーですが、甘味度が高いので使用量が少なくなり、結果的に低カロリーとなります。
 スクラロースとアセスルファムKは、ほとんど全量が体内で分解されることなく(栄養とならずに)、排泄されるとされています。

(3) 主な使用分野
 高甘味度を利用してのコストダウンのほか、味質を調整しやすいこと、低カロリーを消費者に訴求しやすいことなどを理由に、飲料への使用が最も多く、菓子・菓子パン、デザート・冷菓、漬物などにも使用されています。

人工甘味料の安全性

 人工甘味料は、食品衛生法で規制されている食品添加物です。アスパルテームは昭和58年、スクラロースは平成11年、アセスルファムKは平成12年にそれぞれ食品添加物に指定されました。砂糖に比べて歴史の浅い甘味料と言えます。
 人工甘味料は、他の食品添加物と同じように一日摂取許容量(ADI)が定められています。また、スクラロースとアセスルファムKについては、使用してもよい食品や使用数量の上限などの使用基準が定められています。
(表参照)

ADI

おわりに

 alicでは、てん菜やさとうきびに含まれるショ糖を取り出した砂糖や、でん粉を分解して作られる異性化糖など、甘味料に関するいろいろな情報をホームページで提供しています。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196