もっと知りたい砂糖の役割
最終更新日:2015年10月15日
無形文化遺産にも登録された「和食」ですが、この和食の味付けの基本となる「さしすせそ」の「さ」は、ご存じのように「砂糖」のことです。砂糖は我々の食生活に欠かすことのできないものですが、ここではそのほかの砂糖の重要な役割をご紹介したいと思います。
地域を支えるさとうきびとてん菜
てん菜
さとうきび
日本で消費される砂糖の約3分の1が、国内で生産されるてん菜やさとうきびから製造されます。冷害に強いてん菜は、北海道の畑作農家の約2割が栽培しています。連作障害を避けるためにてん菜は重要で、小麦、豆類、ばれいしょなどとともに輪作体系に組み込まれています。北海道の農業には欠かせない作物です。
さとうきびは、鹿児島県の南西諸島、沖縄県で栽培されています。この地域は、台風常襲地帯で、その上、干ばつも起きやすくなっています。これらの災害に比較的強いさとうきびは、ほかの作物で代替することが難しく、この地域の約7割の農家が栽培しています。
また、収穫されたてん菜・さとうきびは地域内の製糖工場で砂糖に加工されるため、地域経済の維持、雇用の確保にも役立っています。
さらに、さとうきびの栽培地域は、南の国境にも近いことから、これらの島々で人々が暮らしていけるような産業を守ることも重要なことです。
食料自給率にも貢献
食料自給率の観点からみても、砂糖は重要な位置を占めています。我が国の食料自給率は、カロリーベースで約39%ですが、砂糖はこのうち2.4%を占め、米(22.3%)、畜産物(2.7%)に次ぐ三番目の貢献をしています。「砂糖はカロリーが高いからじゃないの?」と思われるかもしれませんが、砂糖の主成分である炭水化物のカロリーは、肉などに多く含まれるたんぱく質のカロリーとほぼ同じです。
製糖工場はスーパーエコ
さとうきびから砂糖を作る工場では、さとうきびの搾りかす(「バガス」といいます。)を、燃やして機械を動かすための熱源や動力源として使うほか、畑の肥料などにも利用します。
砂糖を製造する際に搾り汁から分離した糖みつは、家畜の飼料や発酵原料として利用され、ほぼ余すことなく資源として活用されています。
さとうきびとその副産物の利用
国産を支える砂糖の価格調整制度
このように、てん菜・さとうきび、さらにそこから製造される砂糖は、さまざまな側面で重要性を有するものです。しかし、日本国内のてん菜やさとうきびから作られる砂糖の値段は、その生産規模の違いなどから外国から輸入される砂糖に比べて高くなってしまいます。このため、輸入される砂糖、ひいては消費者のみなさまに一定の負担をお願いして、これらを原資として国内産の砂糖やてん菜・さとうきび生産への支援を行い、両方が同じように売れるようにしています。これが砂糖の価格調整制度です。
今後も消費者のみなさま方におかれましては、砂糖の価格調整制度へのご理解をよろしくお願いいたします。
砂糖の価格調整制度の仕組み
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農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
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