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砂糖の原料について〜てん菜〜

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最終更新日:2015年7月27日

てん菜
てん菜

 砂糖の原料は何?と聞かれると、「さとうきび」と答える方が多いと思います。しかし、砂糖の原料は鹿児島県の南西諸島や沖縄県で生産されるさとうきびだけではありません。北海道で生産される「てん菜」(ビートまたはさとう大根とも呼ばれます)という作物からも、砂糖は作られています。

 てん菜は、収穫後すぐに製糖工場に出荷されるため、一般の方にとって目にする機会が少ないので、日本の南の島の風景としてテレビ等で見る機会があるさとうきびほど知られていないのかもしれません。 
 では、てん菜はどのような作物でしょうか。見た目はカブのような形をしています。「ヒユ科」に属しており、ホウレンソウの仲間です。寒冷な気候を好む植物であることから、日本では北海道で生産されています。ゴールデンウィーク前後に植付けされ、その年の10から11月にかけて収穫されます。

 てん菜とさとうきびでは、糖分が含まれる部分も違っています。てん菜はカブのように見える根から、砂糖が作られます。さとうきびは茎から砂糖を作ります。
 てん菜から作られた砂糖を「てん菜糖」、さとうきびから作られた砂糖を「甘しゃ糖」と呼びます。
 てん菜から砂糖を作る工程は、まず、洗った根の部分を裁断機にかけ、コセット(ビート細片〜千切り大根のようなもの)を作り、温水に浸して糖分を抽出させます。この糖液を煮詰めてショ糖分の結晶を分離し、砂糖を作ります。てん菜1キログラム(大きめのてん菜1個分)から約160グラムの砂糖が製造されます。
 日本で平成25砂糖年度(10〜翌9月)に供給された砂糖は約197万トンです。このうち日本で生産されたてん菜糖が55万1千トン、甘しゃ糖が12万9千トン、併せて68万トン、自給率は約34パーセントです。
 てん菜は、北海道において、ばれいしょや小麦、地域によっては豆類とともに「輪作作物」の一つになっています。これらの作物を順次作付し、同じ作物を繰り返し栽培することで起こる収量の低下や病気になりやすいなどの連作障害を防ぐことができます。25砂糖年度の北海道では、約8千戸の生産者が約5万8千ヘクタールで作付けし、約343万5千トンのてん菜が生産されました。また、北海道には8つの製糖工場があり、関連産業を含め雇用の確保など地域経済に大きな役割を果たしています。このように、てん菜は北海道農業の重要な作物になっています。

広大な北海道のてん菜畑
広大な北海道のてん菜畑

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 農畜産業振興機構では、砂糖が安定的に供給されるように「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」に基づき、国内の精製糖企業等が輸入する原料糖などから調整金を徴収し、これを主な財源として国内のさとうきび生産者、国内産てん菜糖及び甘しゃ糖の製糖工場の支援(交付金交付)を実施しています。なお、てん菜生産者に対する支援は、国において経営所得安定対策として実施していますが、農畜産業振興機構から調整金の一部を国庫へ納付し、政策支援の財源の一部に充当しています。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196