大根の生産と消費との関係
最終更新日:2016年8月19日
大根の産地
大根の出荷量は、ばれいしょ、キャベツに次いで野菜の中で第3位です。
春、夏、秋冬と季節ごとに産地が移動して一年中食べられている野菜です。
大根の主要産地は北海道や千葉県、青森県、鹿児島県などです。
一年の中で出荷量が多い秋冬大根では、千葉県が全国出荷量の約1割を占め、次いで宮崎県、神奈川県、鹿児島県と続き、上位4県で全国の約4割を出荷しています。年々、出荷量は減少傾向となっていますが、鹿児島県では、冬から春先の温暖な気候条件を活かして、農業生産法人などの大規模経営体が大根の担い手となり、増加傾向となっています。
さんまとの意外な関係
大根とさんまの食べ方には色々とありますが、大根おろしというと、さんまを連想する方も多いのではないでしょうか。機構が総務省の「家計調査」を基に、さんまと大根の購入量の相関を調べてみました。
その結果、さんまの購入量が減少する年には、大根の購入量も減少傾向を示し、逆にさんまの購入量が増加する年には、大根の購入量も増加していることが統計的にも分かりました。
これは、家庭や外食において、さんまの付け合わせには大根おろしが無くてはならない関係にあることを示すものではないでしょうか。
近年、さんまの不漁が続いていますが、 大根おろしは魚のタンパク質の消化促進に不可欠な食材ですので、魚料理が食卓にのぼる際にはつけ合わせに大根おろしをご活用ください。
大根の価格推移
平成27年の大根の卸売価格は、年明け以降の低温にはじまり、天候不順の影響から平年を上回る価格で推移しました。9月以降は天候も回復したことから、それまで生育が遅れていた夏大根と秋冬大根の出荷が重なり、10月下旬以降平年を下回る価格となりました。
また、11月後半からは暖冬の影響等から消費が伸びなかったこともあり、平年を大きく下回りました。
このような低価格では、産地は出荷しても赤字が膨らむだけなので、自主的に出荷調整に取り組むなど、秋冬大根の産地は大変苦労をしています。
1月後半になり、寒い日が多くなってまいりました。大根には色々な栄養素も含まれています。おでんや煮物、鍋などで是非とも食べていただきたいと思います。
栄養・機能性成分
大根は大部分が水分ですが、栄養バランスに優れた野菜です。特に抗酸化作用を持つビタミンCが、大根には多く含まれているので、ビタミンCを多くとりたいときは、サラダ等生食の食材として利用しましょう。
そのほか、カルシウムや食物繊維もバランスよく含まれています。秋から冬にかけて、煮物、おでん等、汁ごと食べる機会が多いので、食物繊維を多くとるための野菜 として最適です。食物繊維は便秘の解消に効果があり、生活習慣病の予防にもなります。
野菜情報の発信
機構では、野菜需給協議会の現地協議会を毎年開催しております。今年度は2月12日に今回紹介した秋冬だいこんの主要産地の一つである神奈川県三浦市で、生産者との意見交換やほ場視察を行っております。その概要については、後日機構のホームページに掲載いたしますので、ご覧ください。
機構では野菜に関する様々な情報提供を行っています。野菜に関する情報をお知りになりたいときは、是非、機構のホームページにアクセスしてください。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
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