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国内の豚肉生産と養豚経営への支援について

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最終更新日:2018年11月20日

 私たちの食生活に欠かせない豚肉の供給量は、一人一年当たり12.8 kg(牛肉は同6.3kg、鶏肉は同13.4kg)となっており、そのおよそ半分が家庭で、残りはハム・ソーセージなどの加工品や外食で消費されます。
 1年間に流通する豚肉約180万トンのうち約半分を国産品が占めています。輸入豚肉は、主に米国やカナダなどから輸入され、加工品や外食で多く使用されています。
 今回は、私達の食卓を彩る豚肉となる肉豚(にくとん)の一般的なライフサイクルやエサのほか、国内の養豚農家に対する当機構の支援についてご紹介します。

出荷まで約6カ月

 母豚は、1年に約2回(牛は1回)分娩し、1回当たり平均11頭の子豚(牛は1頭)を産みます。
 子豚は、出生から約1カ月すると離乳され、出荷月齢約6カ月までの間、生育段階に合わせた配合飼料など(必要な栄養素をまとめて摂取できるエサ)を与えられ、体重は、出生時の1.4 kgから110〜115kgになります。
 その後、食肉市場や食肉センターでと畜・処理され、卸売業者を経て、小売店の店頭に精肉として並びます。
ライフサイクル

コストの約6割はエサ代

 畜産経営において生産コストに占めるエサ代(飼料費)の割合は高く、生産コストに占める割合は約6割に及びます。 
 肥育豚へ与えられる飼料の8割以上はトウモロコシやミネラルなどから作られた配合飼料です。日本では、その原料の大部分を米国などからの輸入に依存しているため、多くの輸入飼料穀物が必要とされます。
 配合飼料価格は、主に飼料穀物の国際相場、海上運賃及び為替相場の3つの要因で決まります。それぞれ天候や国際情勢に左右され、大きく変動することから、配合飼料価格は畜産経営の不安定要因の一つとなっています。
 このため、一部の経営体では、飼料費の低減や飼料の安定的な確保のため、食品残さを使用した飼料(エコフィード)の活用や、水田を活用して生産された飼料に使うためのお米(飼料用米)を与えるといった取組が進められています。

養豚経営への支援

 養豚経営の所得は、豚肉の販売収入と生産コストの差額で決まるため、豚肉価格や配合飼料等の生産コストの変動により影響を受けます。このような影響を踏まえて、当機構では、養豚経営の安定と国産豚肉の安定供給を目的として、「養豚経営安定対策事業」を実施しています。
 この事業は、販売収入が生産コストを下回った場合に、生産者の拠出と国の助成により積み立てた資金から、その差額の8割を補てん金として交付します。
 豚肉には炭水化物の代謝を助けてエネルギーを作り、疲労回復を促進するビタミンB1などの栄養が豊富に含まれています。季節の変わり目で風邪を引きやすいこの季節に、おいしい国産の豚肉料理を積極的に召し上がってはいかがでしょうか。
制度図

豚肉に関する豆知識

(価格の季節変動について)
豚肉価格は、出荷頭数の増減を受け、春から夏に高くなり、秋から冬にかけて安くなるという季節変動があります。
 これは、夏の時期に暑さで受胎率が低下することにより、妊娠期間約4ヶ月+飼育期間6ヶ月=約10ヶ月後に出荷される頭数が減少するためです。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196