地域の酪農を支える「酪農ヘルパー」
最終更新日:2019年8月16日
みなさんは「酪農ヘルパー」という職業をご存知ですか?聞き慣れない言葉かもしれませんが、国内では約1900名の方が酪農ヘルパーとして働いています。
平成30年2月時点で、約15700戸の酪農家が乳牛を飼い、牛の乳を搾って日々生乳を出荷しています。一方、酪農ヘルパーは自ら牧場や牛を所有していません。文字通り酪農家の仕事を助けることが役目です。
酪農家の働き方改革に不可欠
酪農経営は、牛という「生き物」を相手にする仕事です。そのため、酪農家は朝晩の乳搾りやえさやり、牛舎清掃などの仕事を毎日行わなくてはならず、休みがありません。
しかし、日本の酪農経営は、規模拡大が徐々に進んでいるものの、一般的に大規模経営とされる100頭以上の乳用牛を飼養している酪農家の割合は13%に過ぎず、今でも中小規模の家族経営が主体です。(図参照)
そのため、酪農ヘルパーは、酪農家が病気やけがをした時、冠婚葬祭で家をあけなくてはならない時、休日をとりたい時など、人手の足りない酪農家に代わり乳搾りなどの作業を行います。 近年、あらゆる職業における「働き方改革」が話題となっていますが、休みがない酪農家の「働き方改革」を実現するために、酪農ヘルパーは必要不可欠です
頼れるパートナーとして
牛の乳を搾る酪農ヘルパー
酪農ヘルパーは、地域の複数の酪農家に出向き仕事をしています。そのため、酪農ヘルパーは、訪問した酪農家の数だけ経営を知ることができ、経験や知識も豊富です。搾乳方法や、牛舎の構造の違いなど酪農ヘルパーだからこそ気づくこともしばしばで、スキルを活かして酪農家として新規就農し、活躍している例もあります。
酪農ヘルパーは、地域の複数の酪農家に出向き仕事をしています。そのため、酪農ヘルパーは、訪問した酪農家の数だけ経営を知ることができ、経験や知識も豊富です。搾乳方法や、牛舎の構造の違いなど酪農ヘルパーだからこそ気づくこともしばしばで、スキルを活かして酪農家として新規就農し、活躍している例もあります。
酪農ヘルパーは、時に気づいたことから改善点を提案することもあり、単なる作業代行ではなく、酪農家と強いパートナーシップで結ばれているのです。
酪農家1戸当たりのヘルパー年間利用日数は、平成11年度の約11日から、平成28年度には約22日へと、着実に増加しており、酪農ヘルパーに対する期待は年々増しています。
求む、酪農ヘルパー!!
このように、地域の酪農を支えている酪農ヘルパーですが、この仕事は一般的にはまだまだ知られていません。酪農ヘルパーが不足している地域も多く、人材の確保が大きな課題のひとつです。
そこでalicでは、学生インターンシップの受入や酪農ヘルパーの職業認知度向上の取組への支援を行っています。
酪農ヘルパーという職業に興味をお持ちいただけた方は、ぜひ一般社団法人酪農ヘルパー全国協会のホームページをご覧ください。酪農ヘルパーに関するさまざまな情報が紹介されています。
(一社)酪農ヘルパー全国協会HP
http://d-helper.lin.gr.jp/
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196