指定野菜価格安定対策事業」について
最終更新日:2019年8月16日
今回は、「指定野菜価格安定対策事業」について取り上げます。
野菜は、穀物等とは異なり、保存性が低いため、我が国では、季節によって産地が切り替わる「産地リレー」によって野菜が安定的に供給されています。また、野菜は、天候によって作柄が変動しやすいため、供給量により価格が大幅に変動することから、市場メカニズムのみに委ねることとした場合には、生産者の経営が不安定となり、消費者へ年間を通して安定的に供給することが困難になる恐れがあります。
そこで、当機構では、「国民の生活上重要な野菜」について、生産者の方々を支援することで、消費者に野菜が安定的に生産出荷されるようにしています。
「国民の生活上重要な野菜」は、指定野菜の14品目と、特定野菜の35品目とがあり、それぞれ野菜生産出荷安定法という法律において定義されています。(表参照)
指定野菜価格安定対策事業の概要
野菜の価格安定対策制度の中心的な事業が、指定野菜を対象とした指定野菜価格安定対策事業です。本事業は、あらかじめ、生産者、県、国が積み立てた資金を財源として、生産者が販売した指定野菜の市場価格が、平均価格の90%を下回った場合に、その差額を補てんします。
平成30年は、6月以降の長雨・日照不足や7月中旬以降の猛暑・少雨の影響による生育不良で出荷量が減少したことから、この夏、多くの野菜で価格が上昇しましたが、10月中旬以降天候が良好であったことから、生育が回復し、冬季に入り、多くの野菜の価格が平年を下回っています。(図参照)このような安値になった場合、機構では指定野菜価格安定対策事業を通して、野菜の再生産を支援しています。
※特定野菜についても、指定野菜価格安定対策事業と同じような仕組みの事業を実施しています
なぜ価格低落時に生産者の支援を行うのか。
豊作などにより野菜価格が安くなることは、消費者にとっては一義的には喜ばしいことではありますが、生産者にとってコスト割れとなる状態になれば作付けを縮小したり、経営をやめてしまう恐れがあります。そうなると、消費者へ野菜を安定的に供給できなくなってしまいます。本事業は、直接的には生産者に交付金を交付する事業ですが、同時に、消費者の皆様への野菜の安定供給の実現に資するという重要な役割を担っています。
最後に、消費者の皆様におかれましても、野菜価格が安値の時には、いつも以上に野菜を召し上がっていただき、生産者を応援していただければ幸いです。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
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