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野菜価格安定制度のご紹介

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最終更新日:2020年1月16日

野菜価格安定制度とは

 野菜はビタミン・ミネラルなど健康な生活を送る上で欠かせない身近な生活必需品ですが、貯蔵性が低いという特性があります。また、天候等により豊作・不作の差が大きく、作付品目の転換が容易なため、価格が低落すると次期作で別の品目に転換されてしまい、豊作で価格低落→作付減少→価格高騰というように、価格が乱高下しやすい傾向があります。

消費者物価対策として野菜制度が創設

 経済成長が始まった昭和30年代後半、野菜消費が伸びる中で価格の変動が大きくなり、社会問題となりました。こうした中で、昭和41年、野菜の価格高騰・低落を背景に生活必需品である野菜の安定供給と価格安定を図るために野菜価格安定制度が創設されました。

野菜制度の3つの役割

 野菜制度には、
1.消費地への安定供給を担う野菜集団産地の育成
2.計画生産・安定供給・価格安定の確保
3.生産者の経営不安の払拭による次期作の確保
の役割があります。
 これらを通じて、消費者の皆様へ野菜を安定的に供給し、価格の安定を支えています。

指定野菜価格安定対策事業の概要

 野菜制度の中心的な事業が指定野菜価格安定対策事業です。この事業は、全国的に流通し特に消費量が多く重要な野菜14品目を「指定野菜」、そして指定野菜を安定供給する集団産地を「野菜指定産地」(全国に893産地)に指定し、生産者、県、国が積み立てた資金を財源に、生産者が販売した指定野菜の市場価格が、過去6年の平均価格の90%を下回った場合にその差額を生産者補給金として交付します。(下図)
指定野菜価格安定対策事業の仕組み
 令和元年の野菜価格をみると、9月以降の度重なる台風・大雨による影響があったものの、春先から天候に恵まれ生育が順調であったことから、おおむね平年を下回って推移しています。
 このような安値になった場合に、生産者補給金を交付することにより、 生産者の経営安定を通じて次期作が確保され、野菜の安定供給が図られています。
 野菜指定産地は野菜の種別・出荷期間ごとに需要に応じた供給計画を作成し、安定出荷に取り組んでいます。また、価格が大幅に低落したときには、出荷の先送り、加工用販売、フードバンクへの提供、土壌還元、価格高騰時には、出荷の前倒し、国・県の要請による計画出荷などにより、消費者の生活必需品である野菜の価格安定のための取り組みを実施しています。

 野菜の安定供給は、消費者にも生産者にも欠くことのできない制度となっています。
 消費者の皆様には、生産者が丹精を込めて作った野菜を召し上がっていただき、生産者を応援していただければ幸いです。
野菜
(表)指定野菜と特定野菜
○指定野菜(14品目):国民消費生活上重要な野菜 
 キャベツ、きゅうり、さといも、だいこん、トマト、なす、にんじん、ねぎ、はくさい、ピーマン、レタス、たまねぎ、ばれいしょ、ほうれんそう
○特定野菜(35品目):国民消費生活や地域農業振興上指定野菜に準じる重要な野菜
 アスパラガス、えだまめ、かぼちゃ、ごぼう、こまつな、しょうが、すいか、スイートコーン、セロリ、そらまめ、ちんげんさい、生しいたけ、にら、にんにく、ブロッコリーなど


 
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農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196