加工原料乳生産者補給金制度〜日本の酪農家を支援する政策をこれからも〜
最終更新日:2020年9月24日
「毎日牛乳をもう(モ〜)1杯。育ち盛りは、もう(モ〜)1パック」というキャッチフレーズで本年4月21日から始まった農林水産省の「プラスワンプロジェクト」の効果もあり、新型コロナウイルス感染症の影響で学校が休校となり、学校給食用牛乳のキャンセルや需要の落ち込みがあった中、生乳(牛から搾ったままの乳)が無駄にならず、5月の生乳生産のピークを乗り切ることができました。これも酪農乳業界の一致団結の対応と消費者のみなさまの応援のおかげと感謝しています。
今回は、日本の酪農とそれを支えている制度を紹介します。
日本の生乳生産
生乳は全国各地で生産され、年間の生産量は東京ドーム6杯分にあたる約740万トンにもなります。また、生乳の半分以上は北海道で生産されています。
生乳からできるもの
生乳からできる製品と聞いて思い浮かぶのは、牛乳やバター、チーズ、ヨーグルトなどでしょうか。牛乳とは、生乳を殺菌処理したもので、牛乳以外のバターやチーズ、生クリームなどの乳製品向けの生乳を加工原料乳と言います。
乳製品を製造するためには多くの生乳が必要であり、例えば、チーズを1キログラム作るのに約10リットル、同じくバターでは26リットルの生乳が必要です。
生乳価格はいろいろ
一般的に牛乳向けの生乳の価格は高く、加工原料乳の価格は安く設定されています。なぜなら、仮に加工原料乳が牛乳と同じ価格で取引されていたら、製造に多くの生乳を必要とするチーズやバターは今よりもはるかに高い価格になってしまいます。しかし、生乳は加工する製品の種類に応じた価格で取引されているため、乳製品も求めやすく購入することができています。
一方で、取引価格の安い加工原料乳が増えれば、当然酪農家の収益が悪化します。そこで、加工原料乳については、生産コストを賄えるよう、alicが補給金を交付し、酪農家の経営安定に寄与しています。
夏の生乳はひっ迫
牛は一般的に暑さに弱く、夏場は生乳の生産量が減る一方、牛乳の消費はピークを迎えます。夏は生乳の需給がひっ迫するため、この時期には牛乳以外にもアイスクリームやヨーグルト、チーズなどで栄養を摂ることをお勧めしています。冒頭ご紹介したプラスワンプロジェクトでは、セカンドステージとして、「乳製品をもう(モ〜)1個」というキャッチフレーズで、アイスクリームやヨーグルトなどの消費拡大を進めています。
暑い時期はアイスクリームが特に美味しい季節です。また、ヨーグルトには疲れた胃腸を整える効果もあるとされています。日本の酪農の支援にもなるこのWin-Winの取り組みに是非参加してみませんか?
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