食べるだけではない、でん粉の意外な活用方法について
最終更新日:2022年11月21日
alicでは毎年度、農畜産業をめぐる情勢やalicの実施している業務を消費者の皆さまにご理解いただくため、消費者代表の方々との、意見交換会を開催しています。
今年度は、「食べるだけではない、でん粉の意外な活用方法」をテーマに、alicからでん粉の用途や価格調整制度についてご説明するとともに、でん粉を使用した可食容器を製造・販売する、株式会社丸繁製菓(以下「丸繁製菓」という。)の榊原代表取締役専務から話題提供をいただきましたので、その概要を紹介します。
なお、新型コロナウイルス感染症の発生状況を踏まえ、オンラインでの開催としました。
でん粉の用途
でん粉は、糖化製品や化工でん粉の原料として利用されるほか、製紙、段ボール、片栗粉・水産練製品などの食品、ビール、医薬品など多くの用途に使われています。
この中で、消費者の皆さまが最も身近に感じるのは、料理のとろみ付けなどのために使う片栗粉(ばれいしょでん粉)ではないでしょうか。ばれいしょでん粉は、このほか、水を加えて急激に加熱することで、膨らみながら固まる「膨化」という現象を利用して、海老せんべいの原料としても使われています。
でん粉を使用した可食容器の開発
丸繁製菓がある愛知県碧南市は、古くからアイスクリームコーンや海老せんべいの生産が盛んな地域です。丸繁製菓も昭和58年の創業以来、各種アイスクリームコーンの製造を中心に手掛けてきましたが、10年前、新たに可食容器の製造を開始しました。
開発のきっかけは、大規模なグルメイベントに参加した際、屋台で提供されるプラスチックトレーが大量に廃棄されている光景を目の当たりにし、自社で培ってきた技術を応用することで、プラスチックトレーに代わる可食容器を作ることができないかと考えたことでした。
可食容器は、主原料として北海道産のばれいしょでん粉が使われており、地元の名産である海老せんべいの製造技術を応用することで、食器としての使用に耐えられる強度と耐水性を実現しています。また、「味が良くなければ結局捨てられてしまう」との思いから、可食容器単体でも美味しく食べられる味となっています。
可食容器以外にも、食べられる箸、スプーン、カップなど、新たな製品も開発しています。
今後は、一般家庭でより使いやすい製品を目指し、電子レンジの使用や冷凍保存にも耐えられる製品の開発などを進め、プラスチックごみの削減に貢献していきたいとのことでした。
出席者の方々はサンプルを手にし、その香りや食感、味などを確かめながら説明に熱心に耳を傾けていました。説明後は多くの質問や今後の商品展開などに対する期待の声が上がり、活発な意見交換が行われました。
alicでは今後も、こうした意見交換会などを通じて、農畜産業の現場と消費者の皆さまとの橋渡しとなる情報発信に努めてまいります。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196