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業務の解説・トピックス

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最終更新日:2009年3月24日

「エコフィード」について

 (独)農畜産業振興機構(ALIC)は皆さんの食生活に関連した情報をお届けいたします。
 さて、今回は「エコフィード」について取り上げてみます。

「エコフィード」って何?

豚豚
 最近、新聞などでよく耳にする「エコフィード」。
 まず初めに、この言葉の意味を紹介します。
 「食品の製造過程で得られる副産物や食品として製造されたが利用されなかったもの、調理残さ等を利用して製造されたリサイクル飼料(エサ)」のことです。

「エコフィード」の目的は?

 最近のトレンドでもある「エコ」という言葉。「環境に優しい」という観点から、CMや報道などで用いられることが多いと思いますが、それでは、なぜ今、「エコフィード」なのでしょうか。
 「飼料自給率」、「循環型社会」という2つのキーワードで説明します。

飼料の自給率向上を目指して

生産者
 日本の食料品全体の自給率は約39%(平成18年度。カロリーベース)です。
これは先進国の中でも極めて低い数字であり、その中でも、家畜などの飼料では、全体で約25%(同)、うち、濃厚飼料(トウモロコシ、大麦、米ぬかなどの配合飼料)は約10%(同)と、驚くほど低い数値となっています。
 日本の国土面積で、家畜用飼料の穀物を全て生産することは難しく、トウモロコシなどの穀物を海外に依存せざるをえない現状では、海外の生産状況や価格変動、原油高による輸送コストなどの影響を大きく受けています。
 昨今の飼料価格の高騰を踏まえれば、輸入飼料への依存度を少しでも下げることは急務となっています。

循環型社会への貢献

 一方で、自然環境のバランス崩壊、限りある資源の不足など、環境問題が深刻化する中で、日本においても大量生産・消費・廃棄の社会的システムから脱却することが大きな課題となっています。

食品リサイクル法の制定・改正

 このような状況を踏まえ、国は、食品リサイクル法の制定(平成13年)・改正(平成19年)を行い、食品廃棄物の発生の抑制、再利用、減量化を推進し、食品小売業、外食産業などへの指導強化を行っています。

「エコフィード」の利用

 現在の日本の養豚農家は、生産者の方の努力もあって、大規模化、集約化が図られています。
豚は雑食であり、いろいろな食材に好奇心を示し、そして選り好みなく食べることが出来ます。この特性を活かし、「エコフィード」を養豚経営に利用するという取組が行われているのです。

養豚農家の取組

 先進的で意欲のある養豚農家などでは、地域内のスーパーや食品工場、給食センターなどから発生する食品残さを回収し、リキッドフィーディング(液状化)や他の飼料と独自の配合・調整を行い、肉質の向上などにも配慮した飼料として利用しています。
 利用する食品残さとしては、米、パン、加工品の調理くず、野菜ジュース粕、賞味期限切れのお弁当などがあります。
 その利用にあたっては、包装紙などを取り除く、腐敗・病原微生物などに汚染されたものは使わない、調理器具の破片など異物は取り除くといった点に気を配り、安全・安心を心がけながら飼料を与えられるよう工夫しています。
豚

農畜産業振興機構の役割

 当機構では、農林水産省と連携し、「エコフィード」に取り組む養豚農家などの方に対し、「畜産業振興事業」の中で、地域での未活用資源の飼料利用の推進、実証試験などによる利用方法の検討、専門技術・知識の習得を図る研修会の開催、技術マニュアルの作成など、様々な方面からの支援行っています。
 「もったいない」という日本人の伝統的な精神を活かし、食料自給率の向上や循環型社会の実現に貢献できればと考えています。

(消費科学連合会「消費の道しるべ」(平成20年7月号)に掲載)

関連記事(リンク)のご案内

 (独)農畜産業振興機構では、消費者の方々に農畜産業の生産現場などを実際に見ていただき、生産者や関係者の方々と直接話し合い、相互に理解と認識を深めていくことを目的とした現地意見交換会を開催しています。
 平成20年度においては、飼料や肥料価格が高騰する中で、食糧自給率や食品の有効利用の観点からも注目されている、食品残さを活用した取組み(エコフィード、堆肥)・耕畜連携について千葉県で開催し、そのレポートを掲出しておりますのでご案内します。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 広報消費者課 (担当:藤原)
Tel:03-3583-9709