農畜産物の安定供給のために
最終更新日:2010年3月31日
農畜産物の価格は、天候や海外からの輸入動向により大きく変化します。特に農産物は、昨年の夏のように天候が悪いと価格が暴騰し、その反対に天気が良ければ豊作となり、価格が暴落します。
生産が安定しないと、価格の暴騰や暴落が起こり、消費者は大変困ってしまいます。輸入物だけに頼ることになってしまっては、安心も出来ません。
最近、農家への直接所得補償、直接支払いが大変注目を浴びています。これも生産を安定させて、消費者に安心して農畜産物を買ってもらうため。
農畜産業振興機構は、生産者への直接支払いなどで経営安定と農畜産物の需給安定の業務などを行っている行政の実施機関です。
今回は各部門の経営安定のための業務についてお話します。
【畜産】
景気の低迷などにより、牛肉の価格が下がっています。消費者にとっては有り難いことですが、えさ代が高どまりするなかで、母牛を飼って子牛を生産する繁殖農家やその子牛を大きく育てる肥育農家は経営が成り立たず、続けることが難しくなっています。
また、えさ代が高くなっている状況は、乳牛を飼っている酪農家や豚を飼っている養豚農家にも大きな影響を与えています。
おいしく、安心安全な国産の畜産物をこれからも食べていただけるよう、生産者の方々に対し交付金を交付する等の業務を行っています。
【野菜】
野菜については、価格が下がり、もうレタスを作ることはやめたということにならないよう、生産者に価格が下がった場合に支援を行っています。
例えば、キャベツ、レタスなどの重要な野菜(指定野菜)については、全国で30万戸の農家にこの仕組みに参加してもらっています(生産者からも負担金をいただく仕組みになっています)。その支払い等の業務を行っています。
【砂糖・でん粉】
砂糖の原料となるてん菜(ビート)やサトウキビ、でん粉の原料となるばれいしょ及びかんしょは、それぞれ北海道や鹿児島県南西諸島や沖縄県地域を支える重要な作物です。
しかし、サトウキビは主として離島で生産され、規模も小さく生産者も高齢化しているなど、諸外国に比べ生産条件が不利なため、大きな内外価格差があります。この価格差を補い、国内生産を守るために、輸入糖から交付金の財源を徴収し、生産者に交付金を支払っています。
(消費科学連合会「消費の道しるべ」(平成22年3月号)に掲載)
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-9709