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口蹄疫発生に伴う支援措置について

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最終更新日:2010年8月30日

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 平成22年4月20日に、宮崎県において口蹄疫の疑似患畜の1例目が確認された後、約3ヵ月が経過しました。合計頭数は約28万頭(牛約7万頭、豚約21万頭)に上り、殺処分も終了し、終息に向かうかと思われましたが、7月5日に292例目の口蹄疫の疑似患畜が確認されました。
 農林水産省では、宮崎県における口蹄疫の発生に伴い、畜産農家の経済的な損失などの問題が生じることから、経営維持のための対策を講じており、機構もその一端を担っています。

 口蹄疫の発生が確認されると、農場の家畜を殺処分して埋め、農場を消毒するなどの防疫措置が取られます。今回は、その後の畜産農家の経営再開までの流れと支援措置について、肉用牛農家を例にご紹介します。
 一般的に、肉用牛農家には、(1)雌牛を飼い、産んだ子牛を販売する繁殖農家、(2)子牛を肥育し食肉用として出荷する肥育農家の2つタイプがあります。 
 繁殖農家では、家畜市場などで購入した子牛を育成し、その成長した牛の産んだ子牛を家畜市場で販売できるまでに2年以上かかります。肥育農家でも購入した子牛を肥育し、食肉用として出荷できるまでに20ヵ月程度(黒毛和種の場合)が必要です。このため、経営が安定するまでには長い時間を要します。
 移動制限区域(発生農場から10km以内)では、地域内の殺処分の対象となった全ての牛・豚等(ワクチン接種家畜を含む。)の処理が終了した後、移動制限が解除され、家畜を再び飼い始めることができるようになります。ただし、それまでに農場の消毒(1週間間隔で3回)などを行う必要があります。
 処分された家畜については、時価評価額の全額が手当金等として交付されます。また、畜産農家は経営再開後も直ちには販売収入を得られないことを考慮し、経営支援互助金等が交付されるほか、移動制限などにより出荷が遅れた家畜に対する支援などが行われます。
 これらの支援措置は、6月15日に農林水産省から公表された資料からその一部をご紹介したものです。詳しくは、農林水産省のホームページをご覧下さい。機構が実施している対策の概要については、機構のホームページでもご案内しています。
 
 口蹄疫は、牛、豚等の偶蹄類の動物の病気であり、人に感染することはありません。また、感染した家畜の肉や牛乳が市場に出回ることはありませんが、感染した家畜の肉や牛乳を摂取しても人体には影響ありません。
 
 
 ◆口蹄疫に関する情報はこちら
 
 
(消費科学連合会「消費の道しるべ」(平成22年7月号)に掲載)
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196