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「でん粉」の基礎知識(4)

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最終更新日:2010年12月2日

 (独)農畜産業振興機構(ALIC)は、皆さんの食生活に関連した情報をお届けしています。
今回は、国内産のでん粉の生産量が多い北海道で生産される馬鈴しょ(ジャガイモ)を原料とした「馬鈴しょでん粉」について取り上げます。

T.馬鈴しょの起源

 原産地は、南アメリカのアンデス山脈から北はメキシコに至る3,000〜4,000メートル級の高地とされています。ペルーとボリビアの国境にあるチチカカ湖周辺は、ジャガイモの起源とされています。
 当時のジャガイモは野生に近い物でしたのであく抜きして粉にしたり、乾燥した物を水で戻して食用にしたようです。

U.日本への渡来

 日本へは、長崎郷土史によれば慶長3年(1598)さつまいもよりも早く、オランダ人によりジャワ(現在のインドネシア)から長崎に持ち込まれたのが最初とされています。そのためジャガイモの名前は、当時のジャガタラ(現在のジャカルタ)から日本へ渡来したことからジャガタライモと言われ、後にジャガイモと言われるようになりました。
 馬鈴しょと呼ばれているのは、幕末の学者で小野蘭山の命名です。
 蘭山が中国の書物の説明として「鈴子の如き芋」とあるのをジャガイモにあてはめたことにはじまります。

V.馬鈴しょでん粉の始まり

じゃがいも
 サツマイモが暖地に広まったのとは対照的に馬鈴しょは寒冷地に広まっていきました。
 馬鈴しょでん粉の製造は、北海道亀田村で安政年間(1854〜59)自家用でん粉の目的で始まり、販売を目的とした生産は、明治15年(1882)に北海道八雲町の辻村勘治が、水車を動力にして900`のでん粉を製造したのが始まりとされています。

W.馬鈴しょでん粉の生産量

 平成21年の北海道の馬鈴しょの作付け面積は、54千ヘクタールあり、収穫量は1,879千トンです、これから作られるでん粉生産量は198千トンあり、食料用として、水産練り製品・即席麺・春雨・各種食品用増粘剤などの用途のほか幅広い用途で利用されています。

X.馬鈴しょでん粉(かたくり粉)を使った郷土料理

「いももち」

 いももちは、北海道の郷土料理としては定番メニュー、家庭では手作りのおやつとして食べる機会が多い一品です。
 モチモチの食感に甘辛い砂糖醤油が絶妙なバランスです。

材 料

いももち
・ジャガイモ    4個
・馬鈴しょでん粉 
 (かたくり粉)  80g
・バター      大さじ1
・油        適宜
・タレ(しょうゆ 大さじ2・砂糖 大さじ2)

作り方

(1) ジャガイモは茹でて熱いうちにつぶし、バターを加えて混ぜ、馬鈴しょでん粉(かたくり粉)を加えて耳たぶの硬さになるまで練ります。
(2) 棒状にして好みの厚さに切り、平たい団子にします。
(3) フライパンにサラダ油を熱し、(2)を入れ両面をきつね色になるまでゆっくり焼きます。
(4) タレを少し熱し(3)に加え、よくからめてできあがり。

ポイント

(1) ジャガイモとかたくり粉の分量は目安ですのでお好みで分量を試してください。モチモチした食感が好きな方は、かたくり粉を多めにするとよいでしょう。
(2) ジャガイモはずっしりと重く、全体がふっくらとして形が良いものを選びましょう。また、皮が薄く、色が均一で、シワや傷がないものが新鮮です。 芽が出ていたり、緑化したものは、避けましょう

(消費科学連合会「消費の道しるべ」(平成22年10月号)に掲載)
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196