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野菜をめぐる需給状況について

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最終更新日:2010年12月27日

 今回は、猛暑の影響で価格が高騰してマスコミなどにも度々取り上げられた「野菜の需給状況」についてお話しします。

Q:「最近の野菜の価格動向等」は?

A: 卸売価格をみると、10月からレタス、ばれいしょ、たまねぎが平年に比べ4割上回って推移し、11月中旬には指定野菜全体で同5割上回りました。、11月下旬以降は下降基調となったものの平年を上回って推移しました。
 小売では、1/2、1/4カットや小分け売りなどで対応していましたが、11月第4週の小売価格は、キャベツで平年に比べ約2倍、レタスが1.5倍(農林水産省野菜小売価格調査)と依然として引き続き高い水準となりました。
 12月上旬以降の見通しについては、今後の天候次第ですが、だいこん、はくさい、レタス、トマトなどは平年並みの出荷量の見込みとなり、キャベツ、ねぎ、にんじんについては回復傾向にあるものの平年より少なめと見込まれます。
 
 (詳しくはこちらから「野菜の需給・価格動向レポート」をご覧ください。)
 

Q:「猛暑で野菜の価格が高騰」?

レタス
A: 野菜の生育期間は、播種(種まき)から収穫までに一定期間(夏期のホウレンソウやチンゲンサイは2ケ月、ねぎは9ケ月)が必要であり、その生育期間中の天候が収穫量に大きく関わっています。
 また、消費者の皆さんに安定的に供給するために、寒冷地と西南暖地、高原と平野といった気候風土の違いを利用した産地リレーが行われています。
 今年は、全国的な猛暑のため、それぞれの産地で生育に大きな影響がでるとともに産地リレーもうまくいかなかったことから供給量が減り価格の高騰を招きました。
 レタスを例に説明しますと、レタスは冷涼な気候を好むことから夏の7〜10月頃は標高1300mを超える高冷地や岩手など北の産地で生産され、その後、気温の低下とともに標高を下げ、北から南へ群馬、茨城と産地がリレーして行きます。
 今年は、高冷地や東北でも記録的猛暑のためレタスの生育が悪く、いつもよりその出荷が早く終わってしまいました。後続産地の生育も暑さの影響で遅れたことが重なり一時的に供給の谷間ができてしまい特にレタスでは10月初めには著しい価格上昇となりました。

Q:「野菜の作柄などの情報提供」は?

A: 機構では、野菜の需給安定を図るため、農林水産省と連携し、需給状況の周知を行うとともに価格低落時や高騰時の消費拡大への取組等を行っております。
 野菜の作柄などの情報は、必要に応じて消費拡大等の需給安定に向けた取組を推進するため、「野菜の需給・価格動向レポート」(月2回発行)や「注目トピックス」(価格高騰時等の適時の情報提供)を機構HPを通じて広く国民の皆さまへ提供しています。
 また、当機構に事務局をおく生産者、消費者、流通等各団体の代表の方々で構成する「野菜需給協議会」を開催し、長期的な生産出荷見通しを発信するほか価格の上昇や低落が著しい時には緊急的に「野菜需給協議会・幹事会」を開催し、天候や生育の情報提供をしています。
 10月の「同幹事会」では消費関係者の意見をお聞きして農林水産省の「野菜出荷安定対策本部」に報告しました。
 なお、同幹事会では消費者団体から「原因と現状と見通しの3点セットで野菜の状況を伝えてもらうことによって、安心感をもっていけるので情報提供は大切」というご指摘をいただいたところです。
 今年のような近年にない価格高騰の中にあっても、混乱を生じなかったのは消費者の皆様の冷静な判断のたまものであり、今後ともその時々の実態、長期的な生産出荷の見通しや需給・価格の情報提供、消費拡大の取り組み等も併せて情報発信して参りますので、消費者の皆様のご支援とご理解を賜れば幸いです。
 
長ネギ

(消費科学連合会「消費の道しるべ」(平成22年12月号)に掲載)
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196