「砂糖と健康」について
最終更新日:2011年9月21日
農畜産業振興機構(ALIC)は、国民消費生活の安定のために、農畜産生産者の経営安定対策などの業務をおこなっている行政の実施機関です。
ALICから、皆様の食生活に関連した情報をお届けしています。さて、今回は、「砂糖と健康」について紹介します。
砂糖は脳のエネルギー源になるって本当ですか?
脳は、摂取するエネルギーの約24パーセントを費やしています。そのエネルギー源となるのは、ブドウ糖だけです。
脳に蓄積できるブドウ糖量はごくわずかなので、常に補給し続けなければなりません。砂糖は摂るとすぐにブドウ糖になり、すばやくエネルギーとなります。
砂糖は身体にどのようにかかわっているのですか?
筋肉はタンパク質の合成によってつくられます。そのタンパク質の合成を促進しているのが砂糖などの糖で、すい臓からでるインスリンの働きと密接な関係があります。
運動をすると、筋肉では、タンパク質の合成と分解がどちらも最大になりますが、インスリンには「タンパク質の分解を抑える」「タンパク質の合成を促進する」という働きがあります。このインスリンの分泌を刺激するのが砂糖を摂ることによってできるブドウ糖なのです。
インスリンには、筋肉にアミノ酸の取り込みを促す働きがあるので、運動後に砂糖などの糖を摂取すると、インスリンの分泌が刺激され、質のよい筋肉づくりを助けることになります。
砂糖が白いのは、漂白剤を使っているのですか?
砂糖は本来無色透明の結晶で無漂白です。砂糖が白く見えるのは、結晶の表面で、光が乱反射するからで、雪や透明な水からできるかき氷が白く見えるのと同じです。
砂糖を食べると太るといいますが、本当ですか?
太るかどうかは摂取カロリーと消費カロリーのどちらが多いかで決まります。砂糖に限らず、エネルギー源になるものを必要以上にとり続ければ、余った分が脂肪となって体内に蓄積される原因となるのです。
エネルギー源となるものには、タンパク質・炭水化物・脂質がありますが、1gあたりのエネルギーはたんぱく質・炭水化物が4キロカロリー、脂質が9キロカロリーです。砂糖は米などと同じ炭水化物ですので、砂糖だけが特別にカロリーが高く肥満の原因になるというわけではありません。
砂糖は糖尿病の原因ですか?
糖尿病は、遺伝的素因に肥満、過食、運度不足、ストレスなどが発症因子として作用すると言われており、砂糖の摂取が直接関与するわけではありません。糖尿病という名前から砂糖が原因であるような誤解が生じています。
糖尿病は、すい臓から分泌されるインスリンの働きが悪くなる、または分泌のパターンが障害される病気です。インスリンがきちんと働かないと、血液中のブドウ糖を体の細胞の中にうまく取り込めなくなるので、体そのものは逆にブドウ糖が不足している状態となります。
糖尿病患者が甘いものを欲するのは、このブドウ糖不足を補うためで、ブドウ糖が不足すると体は代わりに体脂肪や筋肉を分解してブドウ糖を作り出します。初めは太っていても、病気が進むとやせてしまうのはこのためです。
ALICでは、国産砂糖の安定的な供給を図るため、砂糖の原料となる「さとうきび」「てん菜」の生産者や国内産原料で砂糖を製造する事業者の経営安定を目的に、交付金を支払っています。
また、消費者の方には国産農畜産物への理解を深めてもらうため、
ホームページなどを活用した情報提供を行っています。
(全国地域婦人団体連絡協議会「全地婦連」(平成23年7月号)に掲載)
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
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