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冬至とかぼちゃ

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最終更新日:2011年12月26日

かぼちゃの栄養

 北半球で最も夜いが長い日である「冬至」。「冬至にかぼちゃを食べると風邪をひかない」という言い伝えもあることから、冬の野菜と勘違いされている方も多いかもしれませんが、かぼちゃは夏に収穫されるウリ科の野菜です。
 収穫後、貯蔵性を高めるために行う2週間ほどのキュアリングという工程とその後の貯蔵を経ることにより、デンプンが糖質に変化して、甘味が増した状態で出荷されます。カットしなければ1〜2か月ほど貯蔵ができることから冬場の貴重な栄養源として昔から親しまれてきました。
 実際、かぼちゃは非常に栄養価が高く、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンCがバランスよく含まれる緑黄色野菜です。 
かぼちゃの成分構成
 このグラフは成人女性に必要な成分の1日分の摂取基準を100としてときのかぼちゃ百グラムに含まれる割合です。特に割合の高いビタミンEは、ホルモン分泌を助けるなどアンチエイジングには欠かせないビタミンです。また、ビタミンEとAは脂溶性なので油分と一緒に摂取すると効果的です。

バラエティー豊かなかぼちゃの品種

東洋種の1種、バターナッツ
東洋種の1種、バターナッツ
 かぼちゃに対しては世代によって、戦時中の食料難を思い出すという方もいるようですが、食生活の変化に伴って品種が移り変わっており、現在では大きく次の3つに分類されます。
 東洋種ともいわれる「日本かぼちゃ」は室町時代(十六世紀中期)に伝わり、ねっとりしていて甘味が少ないのが特徴です。直売所などで最近、よくみかけるバターナッツはこの仲間です。
 「西洋かぼちゃ」は甘味が強くお菓子などにも使われます。食の欧米化に伴い四十年ほど前から主流となっているのがこの品種です。そして、「ペポかぼちゃは飼料用やハロウィーンの時に装飾用で使われるものや果肉がそうめん状になっている金糸うりなどが含まれます。近年、消費が伸びているズッキーニもこの仲間です。

 地方品種が多いのもかぼちゃの特徴です。赤い皮が特徴の「打木(うつき)赤皮甘栗かぼちゃ」(加賀野菜)、へちまのような形の「宿儺(すくな)かぼちゃ」(飛騨野菜)など形やサイズ、色もバラエティーに富んでいます。ちなみに、「かぼちゃ」の語源はポルトガル語で、ポルトガル人が寄港地のカンボジアからもたらしたことが由来です。

磨きをかけて出荷される北海道産

東京都中央卸売市場におけるかぼちゃの産地別入荷量の推移
東京都中央卸売市場におけるかぼちゃの産地別入荷量の推移
 年間を通して店頭に並ぶかぼちゃですが、春は主にニュージーランド、秋から初冬にかけては北海道と産地がはっきり分かれています。

 北海道の名寄管内では、ひとつひとつ丁寧に泥を落とし、磨きをかけられたかぼちゃを出荷しています。価格も安定していますので、この時期、ぜひ、北海道のかぼちゃをお召し上がりください。

体を温める冬の野菜

 冬場はにんじんやだいこん、かぶ、ゴボウといった根菜類が多く出回ります。根菜類は体を温めるので、煮物やお鍋などにたっぷり入れて抵抗力を高め、風邪等に負けない体を作りましょう。

 農畜産業振興機構が事務局を務める野菜需給協議会が毎月発行する「ベジシャス」では、旬の野菜の産地情報をレシピとともに紹介しています。機構のホームページでご覧ください。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196