安全で品質の優れた国産の農畜産物をお届けするために
最終更新日:2012年3月30日
農畜産業振興機構(alic)では、皆様の食生活に関連した情報をお届けしてきましたが、今回はalicの業務について紹介します。
多岐にわたる品目が対象
alicは安全で品質の優れた国産の農畜産物を消費者の皆様方に安定的にお届けするために農畜産物に関する様々な業務を行っています。
その業務の対象は、畜産、野菜、砂糖、でん粉と多岐にわたっており、我が国の農業総産出額の約6割を占めています。
生産者の経営安定を目的に
農畜産物の生産者の経営は、様々な要因によって左右されます。
例えば、日本の畜産農家の多くは、輸入された飼料穀物などから作られた配合飼料を餌として使用していますので、世界のトウモロコシ価格が高騰することによって経営が圧迫されます。
また、放射性物質の風評被害は、生産者の手取りに直接影響する市場の枝肉価格の下落をもたらし、経営に大きな影響を与えています。
野菜を例にとると、暖冬による豊作が原因で価格が大きく下落することがあります。食肉や野菜の価格が下がることは、消費者の方々にとっては大変ありがたいことですが、生産者にとっては、収入が大幅に減る要因となり持続的な生産が難しくなるのです。
このためalicは、農畜産物の価格が低落した場合などに、「補てん金」や「補給金」を生産者に交付する事業を行い経営の安定を図っています。
図:肉牛の生産者に対する支援
需給調整・価格安定対策
国民の皆様の消費生活の安定のためには、スーパーなどの店頭価格が適正な水準で安定することが重要です。
このためalicは、一部の農畜産物について、価格の著しい高騰や低落時に対応した「売渡し」や「買入れ・保管」などの事業を行い、価格の安定を図っています。
また、国内で生産する量では賄えない乳製品については、国が定めた適正な数量を輸入しています。
この「セーフティネット」とも呼ばれる需給調整・価格安定対策によって、消費者の皆様のもとに農畜産物が安定的に供給されているのです。
予期せぬ緊急事態に対応
口蹄疫、鳥インフルエンザなど生産者に重大かつ甚大な影響を及ぼす家畜疾病などの予期しない事態の発生に対応して、alicは各種の緊急対策を実施します。
平成22年に宮崎県で発生しました口蹄疫では、影響を受けた畜産農家の経営再開支援や子牛などの出荷遅延に係る対策を実施しました。
最近では、東京電力福島第一原子力発電所事故の影響による牛肉の出荷制限などによって収入が途絶え経営危機に直面する肥育農家への緊急支援を行ったところです。
情報収集・提供
また、これら農畜産物の生産者の経営安定と関連産業の健全な発展や価格の安定を効率的に図るため、各種情報誌を発行し、生産者の経営安定や需給動向の判断に役立つ情報を提供しています。
なお、ホームページでは各種業務の実施状況のほか、消費者の皆様にも役立つ食の安全安心情報や手軽なレシピなどの情報も掲載しています。
おわりに
このようにalic業務は、農畜産物の生産者や関係者のための事業が中心ですが、これら事業を実施することが、ひいては消費者の皆様方に安全で品質の優れた国産の農畜産物を安定的にお届けできますので、alic業務のご理解とご支援のほどよろしくお願いいたします。
(消費科学連合会「消費の道しるべ」(平成24年3月号)に掲載)
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196