出前講義 『野菜の需給と農業の6次産業化について』
最終更新日:2014年5月7日
加工・業務向けへの野菜販売が伸びています。
明治19年に開校した神奈川県立平塚農業高等学校は全国でも9番目に古い、歴史ある農業高校です。
園芸科学科、食品科学科、農業総合科の3つのコースに分かれており、現在、571名の生徒が学んでいます。
校内にある2ヘクタールの圃場には果樹園、水田、温室が広がり、園芸科学科の生徒の皆さんは入学から3年間、ここで栽培を学びます。
今回は、同校からお声掛けいただき、1年間の授業のまとめとして「流通について学ぶ」というテーマで園芸科学科の1年生77名を対象に、alic野菜需給部の和田部長から加工・業務用野菜の現状と課題を中心に、日本の野菜生産の最前線についてお話させていただきました。
変動が激しい野菜価格
熱心に耳を傾ける生徒の皆さん
野菜の生産は、多くはコメと違い農業所得で生計を立てている「主業農家」によって担われています。また、野菜は気象の影響を受けやすく、貯蔵性に乏しいので価格が変動しやすいという特徴があります。そのため、alicでは野菜価格安定事業を通して、野菜の需給の安定に取り組んでいます。
加工・業務用向け野菜の国産化
植え付け間近の構内の圃場
近年、食の外部化、簡便化に伴い、お総菜や弁当といった中食業界やカット野菜や冷凍野菜などの加工食品業界が急激に成長してきました。それに伴い、野菜の販売ルートも多様化しています。輸入野菜は主に加工・業務用に使われており、この分野での国産野菜の強化が課題です。
最近では「6次産業化」も追い風に、コンビニや飲料メーカー等も原料確保等のために農業との連携を強化する動きがあります。
生徒の皆さんからは「野菜は意外と国産が多いということを知った」「色々な分野の企業が農業に注目しているのに驚いた」といった感想が寄せられました。
今回の授業をきっかけに、日本の食料生産を支えていくことへの誇りをもって、今後の進路などの参考にしていただければと期待しています。
【6次産業化】とは
農業者が主体性を持って2次産業、3次産業と連携し生産から消費までの
バリューチェーンをつなぎ農産物の付加価値を上げること。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
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