でん粉は何からできるの?〜ばれいしょでん粉とかんしょでん粉〜
最終更新日:2015年3月4日
わが国では昔から、葛(くず)やカタクリなどの植物から抽出したでん粉を「もち」にして、食料として利用してきました。
でん粉は、現在では、異性化糖や水あめ、ぶどう糖などの甘味料(糖化製品)の原料になるほか、水産練製品、菓子類、麺類などのさまざまな食品やビールにも使用されています。
また、錠剤などの医薬品や、製紙や段ボールなどの工業用を含め幅広い用途があります。
でん粉は、ほとんどの植物に存在するため、原料の種類が豊富です。その代表的なものに、トウモロコシを原料とするコーンスターチ、ばれいしょ(じゃがいも)を原料とするばれいしょでん粉、かんしょ(さつまいも)を原料とするかんしょでん粉、キャッサバを原料とするタピオカでん粉、サゴヤシを原料とするサゴでん粉などがあります。
わが国で国内産の原料から生産されるでん粉は、主にいもから作られており、いもでん粉のうち8割がばれいしょでん粉、2割がかんしょでん粉となっています。
ばれいしょから作られる「ばれいしょでん粉」
でん粉の原料となるばれいしょ
原料となるばれいしょは、北海道でのみ生産されています。
北海道で生産されるばれいしょの45%がでん粉原料用に仕向けられています。これは、加工食品用(24%)や生食用(15%)より高い割合になっています(平成24でん粉年度(平成24年10月〜平成25年9月))。
ばれいしょでん粉は、熱を加えると、膨らみやすく保水力が高くなるなどの特徴があり、これを生かし、いろいろな加工食品に使用されています。例えば、かまぼこなどの水産練製品には、弾力感を出すために使われています。即席麺にも小麦粉に混合して使われており、麺の滑らかさ、色調、調理性の向上に役立っています。また、家庭で使用される片栗粉の多くも、ばれいしょが原料となっています。
現在は、北海道内で16のでん粉工場が操業しており、地域経済を支える重要な産業となっています。
かんしょから作られる「かんしょでん粉」
でん粉の原料となるかんしょ
原料となるかんしょは、南九州地方(鹿児島県、宮崎県)で生産されています。南九州地方で生産されるかんしょの32%がでん粉原料用に仕向けられています(平成24でん粉年度)。また、でん粉原料用のほかには生食用や加工食品用などにも仕向けられていますが、このうち7割程度は焼酎の原料として使用されています。
かんしょでん粉は、ほとんどが糖化製品に使用されています。なお、かんしょでん粉の弾力は、ばれいしょでん粉「強」、小麦でん粉・コーンスターチ・タピオカでん粉「弱」であるのに対し、「中」と中間の性質を示します。食品にほどよい弾力感を生み出すこともあって、かんしょでん粉の加工食品への使用は少しずつ増加傾向にありま
す。
でん粉工場は鹿児島県にしかなく、現在は、鹿児島県内で18の工場が操業しています。
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