【レポート】ウルグアイの乳製品事情〜南米の小国が秘めるポテンシャル〜
最終更新日:2016年3月3日
ウルグアイとは
ウルグアイは、イタリアなどヨーロッパからの移民が多く、古くからチーズなどの乳製品が多く消費されています。このため、世界でも有数の乳製品消費国に数えられ、1人当たりの牛乳・乳製品年間消費量(2013年)は249リットル(生乳換算)となっています(2014年度の日本の同消費量は89.6リットル)。近年は、健康志向の高まりを反映し、乳糖フリーやカルシウムを強化した機能性乳飲料などの商品展開も増え、新たな乳製品需要を生み出しています。
乳製品消費事情
ウルグアイは、イタリアなどヨーロッパからの移民が多く、古くからチーズなどの乳製品が多く消費されています。このため、世界でも有数の乳製品消費国に数えられ、1人当たりの牛乳・乳製品年間消費量(2013年)は249リットル(生乳換算)となっています(2014年度の日本の同消費量は89.6リットル)。近年は、健康志向の高まりを反映し、乳糖フリーやカルシウムを強化した機能性乳飲料などの商品展開も増え、新たな乳製品需要を生み出しています。また、日本ではあまり見かけない「ドゥルセ・デ・レチェ」という半液状のミルクキャラメルが人気の高い乳製品で、日常的に食べられています。一般的な食べ方は、ジャムとしてシフォンケーキやパンに塗ったり、そのまま食べたりと、子供から大人までこよなく愛す代表的な国民食となっています。
輸出にけん引される生産構造
こうした中で、ウルグアイの生乳生産は、大幅に増加しています。背景として、一定の国内需要に加え、旺盛な輸出需要が挙げられます。需要の拡大に伴いウルグアイの酪農生産も変化が見られています。従来の放牧中心の飼養形態から、近年は、生乳生産を増やす目的で補助的にトウモロコシなどの飼料穀物の給与が増加しています。これら飼料穀物は、近隣のパラグアイやアルゼンチンから安い価格で輸入することができ、生産コストも低く抑えられています。
国内ではチーズが最も多く消費されますが、輸出は全粉乳が中心であり、仕向け先国はベネズエラ、ブラジル、ロシア、中国の順となっています。なお、ウルグアイは、メルコスール(南米南部共同市場)加盟国であり、乳製品の輸出に関して域内関税は撤廃されていますが、そのほかの国・地域とは自由貿易協定などの締結は進んでいません。
さらなる輸出拡大に向けて
ウルグアイの乳製品は、今後、国際市場へのさらなる供給が期待されています。同国の優位性としては、牧草主体でホルモン剤や治療目的以外の抗生物質も使用していないため安全性が高く、生産コストが低いほか、外資の進出環境が整っていることが挙げられます。一方で、輸出拡大に向けた貿易の多角化(自由貿易協定の推進)に加え、乳業メーカーの技術向上や酪農従事者の確保などが課題とされており、さらなる輸出拡大に向けて、これら課題の解決が求められているところです。現在、同国の乳製品が日本へ輸入される量は多くはありませんが、長期的に見ると、今後増加する可能性が高く、注目に値すると考えられます。
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