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【alicセミナー】ポーランドの牛肉産業の現状と対日輸出動向

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最終更新日:2023年5月8日

広報誌「alic」2023年5月号
 令和5年3月10日(金)に「ポーランドの牛肉産業の現状と対日輸出動向」を調査情報部の渡辺 淳一が報告しましたので、その概要を紹介します(オンライン開催)。

ポーランドの牛肉需給

ポーランド産農畜産物の共通ロゴ
ポーランド産農畜産物の共通ロゴ

 ポーランドは、EUにおける主要な牛肉生産国の一つです。同国では牛肉生産量がEU第6位と多いものの国内消費量は少なく、また飼料費や人件費といった生産費が西欧諸国と比較して安価であることから価格競争力を有しています。このため、生産量に占める輸出量の割合はEUの主要牛肉生産国の中でもとりわけ高く、生産量の約7割が輸出されています。
 EUやポーランド政府からの支援も受け、農畜産物のブランド化に向けて、共通のロゴを制定し、オール・ポーランドとして同ロゴの使用を推奨しています。

日本向け牛肉輸出

ポーランド産牛タンを使用した料理の例
ポーランド産牛タンを使用した料理の例

 日本へは近年、牛肉(主に冷凍)輸出量が急増しており、2021年にはEU最大の日本向け牛肉輸出国となりました。日本の輸入業者からの需要が多い部位は、タン、ハンガーステーキ(サガリ)、ブレストボーン(カタバラ)のほか、ひき肉などの原料となるトリミング肉です。
 現地関係者からは、冷凍牛肉についてのさまざまな販売促進活動を継続するとともに、冷蔵牛肉についても、輸送技術の工夫とブランディングを行うことで、今後日本向け輸出を拡大していきたい、との話が聞かれました。
 視聴者からは、「これまで得ることがなかったポーランドの情勢で興味深かった」といった感想が寄せられました。

ご質問と回答

Q1.ポーランド産牛肉の日本国内での主要消費仕向け先は?
A1.ハンバーグや焼き肉、カツレツなどの材料として、外食などで使用されているようです。このため、主要な仕向け先としては、外食チェーンなどが多いものと考えられます。

Q2.ポーランドに牛肉のトレーサビリティの仕組みはある?
A2.ポーランド国内市場にはQMP(Quality Meat Program)という品質認証システムがあり、牛肉にも導入されています。この認証は品質を保証するとともに、該当の牛肉の履歴を追跡することが可能です。また、同国内のサプライチェーンは比較的短いため、生産者の特定は容易なようです。なお、日本に輸入されるポーランド産牛肉は、内臓も含めEVP(Export Verification Program)に基づいた追跡可能な個体識別情報が必要となります。


 alicでは皆様のご意見を踏まえ、今後も情報提供に取り組んでまいります。
 
 講演資料は、こちらからご覧ください。
 参考 畜産の情報 2023年1月号「ポーランドの牛肉産業の現状と対日輸出動向」
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
Tel:03-3583-8196