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【業務関連情報】爽やかで薫り高いセルリー(セロリ)で夏を乗り切ろう

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最終更新日:2023年8月7日

広報誌「alic」2023年8月号

夏場は長野県産セルリーの最盛期

長野県 セルリー主要産地

 長野県のセルリー生産量は国内生産量の4割を占め、特に夏場は9割に上る日本一の産地です。
 主要産地は、中信エリアの北アルプス山麓、標高600〜1000mの高原に位置する松本市と、南信エリアの八ヶ岳西麓に位置する茅野市、諏訪郡富士見町、同郡原村です。高原特有の冷涼で昼夜の温度差がある気象条件を生かし、春〜秋にかけて、中南信エリアで県内産地リレーを実現しています。

令和3年セルリー(セロリ)の月別入荷実績 (東京都中央卸売市場計)資料 農畜産業振興機構「べジ探」原資料:令和3年東京都中央卸売市場年報

大正時代に始まった長野県のセルリー栽培

 セルリーは、豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に加藤清正が持ち帰ったという言い伝えがあり、古くは「清正人参」と呼ばれていました。長野県では1922(大正11)年、レタスや芽キャベツとともに栽培が始まりました。
 太平洋戦争中は栽培が禁止されましたが、戦後は駐留米軍を中心に需要が高まり、生産者が増加したことで、産地形成が進みました。

諏訪地区の産地を訪ねて

収穫直前のセルリーの様子
収穫直前のセルリーの様子

 JA信州諏訪管内の諏訪地区セルリー部会には43名が所属しており、管内は130ha(東京ドーム約28個分)でセルリーが生産されています。
 セルリーは、種まきから定植まで約3か月、その後、約70日前後で収穫期を迎えるため、生育期間が約半年と野菜としては長いのが特徴です。また、セルリーは、病気になりやすく、暑さ、寒さ、そして乾燥にも弱いので、かん水や温度調節など細やかな栽培管理と手入れが求められます。
 ハウス栽培では、前年末に種をまき、収穫作業が夏場から11月まで続きます。年明けには、同時並行で露地での栽培も開始します。露地栽培でまだ寒さが残る4月に定植する場合は、マルチ栽培に加えて被覆資材も併用します。定植してひと月後から、わき芽を取り除く芽かき作業も始まります。生産者はほぼ1年中セルリー栽培に携わり、100m超のハウスが数十棟もある中、栽培管理を行うのはとても大変な作業です。

緊張感と使命感をもっておいしいセルリーを日本中へ届けます

 管内には、セルリーの鮮度を保つため、国内では珍しいセルリー単独の集荷場があり、真空予冷装置で予冷後、出荷されます。
 出荷前には、現地検討会が開催され、生産者、市場、JAが販売計画や方針を確認します。寒暖の激しい地で1つの作物に半年もの時間をかけるため、計画的かつ確実に消費地へ流通させる工夫と知恵が必須です。

原村のセルリー単独集荷場の真空冷却装置。3基の真空冷却装置で1,350 箱 (10 kg/箱)を予冷(左)。ハウスものは出荷最盛期でした(右)。
原村のセルリー単独集荷場の真空冷却装置。3基の真空冷却装置で1,350 箱 (10 kg/箱)を予冷(左)。
ハウスものは出荷最盛期でした(右)。

加熱調理はもったいない!食べず嫌いにこそフレッシュで

 JA信州諏訪で栽培されるのは、JAのオリジナル品種「諏訪3号」です。
 昔のセルリーは、香りが強く手について取れないほどだったそうですが、「諏訪3号」は、ほんのりまろやかに香ります。
 部会長の百瀬さんのおすすめレシピは「味噌マヨ」。味噌とマヨネーズに少し砂糖を加えて、半日置いてからディップとしていただくとセルリーの甘みが際立つそうです。「諏訪のセルリーはシャキシャキなのに筋は少なく柔らかいから、生で食べれば絶対好きになる。セルリーが苦手な人にこそ食べてほしい。」と百瀬さんはニコニコしながらお話しされていました。
 夏場の国産セルリーの多くが諏訪産です。残暑を軽やかに過ごすために、爽やかで薫り高いセルリーを食べて体スッキリ、心癒される時間を作りましょう。

セルリーはこんなに大きいのです!産地の売り場。葉がたくさん 付いて青々しています。

ハウスものと露地ものが並ぶほ場。360 度見渡す限りセルリーです。 東京ドーム28 個分もの広さのあるほ場では、セルリーの香りに包まれる不思議 な体験ができました。
ハウスものと露地ものが並ぶほ場。360 度見渡す限りセルリーです。
東京ドーム28 個分もの広さのあるほ場では、セルリーの香りに包まれる不思議 な体験ができました。

おわりに

 alicでは、「野菜価格安定制度」により、野菜生産者の経営の安定と消費者への国産野菜の安定供給を図るため、指定野菜に準ずる野菜として位置付けられる特定野菜35品目(注)について、販売価格が著しく低落した場合に野菜生産者へ補給金を交付することで、野菜農家の経営に及ぼす影響を緩和し、消費者が安定した価格で購入できることを目指しています。
 事業の概要はこちらをご覧ください。


 生産地のJA全農長野については、こちら

(注)アスパラガス、いちご、えだまめ、かぶ、かぼちゃ、カリフラワー、かんしょ、グリーンピース、ごぼう、こまつな、さやいんげん、さやえんどう、しゅんぎく、しょうが、すいか、スイートコーン、セルリー、そらまめ、ちんげんさい、生しいたけ、にら、にんにく、ふき、ブロッコリー、みずな、みつば、メロン、やまのいも、れんこん、ししとうがらし、わけぎ、らっきょう、にがうり、オクラ、みょうが
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