alicの乳製品輸入・売渡業務について
〜牛乳・乳製品の需給安定のために〜
最終更新日:2021年9月17日
牛から搾ったままの乳を生乳といいますが、生乳を殺菌処理した牛乳は賞味期限が短い一方で、生乳を加工して作られるバターや脱脂粉乳は保存が利くため、日本国内では牛乳の消費が減るとこれらの乳製品の生産を増やすことにより、生乳の需給を調整しています。日本の生乳生産量は、担い手の高齢化や後継者不足などを背景とした酪農家戸数の減少に伴い減少傾向で推移し、バターや脱脂粉乳などを製造するための生乳も不足傾向にありました。ただし、平成29年度以降は北海道を中心に生乳生産量が増加する一方、令和2年には新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、外食や菓子向けなど業務用乳製品に対する需要が大幅に減少したため、現在はバターや脱脂粉乳の在庫量が増加しているところです。
以上のように、生乳の需給は大きく変動しやすく、また、冷夏や猛暑などの天候によっても左右されます。alicは、こうした需給動向に応じた乳製品の輸入・売渡業務を通じて、皆様の食生活を支える重要な品目であるバターや脱脂粉乳などの需給の安定が図られるよう努めています。
バターの種類(資料:農林水産省)
乳製品の輸入・売渡業務とは?
alicは、安価な乳製品の無秩序な輸入によって国産乳製品の生産や需給に悪影響が及ばないよう、世界貿易機関 (WTO)協定に定められたルールのもと、バターや脱脂粉乳などの乳製品の輸入及び売渡しを行っています。品目、数量や時期などについては、国内の需給動向などを注視しながら決定しています。
輸入したバターや脱脂粉乳などは業務用が中心であり、乳業メーカーなどに売り渡した後、パン、ケーキ、アイスクリームおよびヨーグルトなどの原料として使用されています。
なお、この輸入・売渡しの際に生じる売買差額(マークアップ)については、酪農家に生産者補給金として交付するなど、日本の酪農経営の支援に充てられています。
令和3年度の輸入数量
alicは国際約束(カレント・アクセス)に基づき、毎年度、生乳換算で約13万7千トンに相当する乳製品の輸入・売渡業務を行っています。また、国内の需給状況に応じて、バターや脱脂粉乳の供給が不足すると見込まれる場合には、カレント・アクセスに加えて追加輸入を行い、これら乳製品の安定供給の確保に努めています。
令和3年度は、バター・脱脂粉乳ともに日本国内の在庫が十分にあるため、カレント・アクセス相当量のみを輸入する予定です。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
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