中国政府は、トウモロコシの需給ひっ迫を受け、2006年12月にトウモロコシを原料とするエタノール生産を制限し、2007年9月にトウモロコシ総生産量における工業用需要量を26%に制限する政策を打ち出しました。
また、飼料原料の確保に対しては、2011年9月にDDGSや非食糧を原料とする飼料原料の多様化を図る政策を打ち出しました。
トウモロコシの需給は、短期的にはタイトであるものの需給の均衡は維持されると推測されますが、拡大する飼料用の需要を考慮すれば、中長期的な需給状況は厳しいものと思われます。既に、世界最大の大豆輸入国である中国の大豆輸入量はさらに増加し、大豆の世界市場における中国の影響は、ますます強まっていきますが、トウモロコシ市場についても今後の動向に注意が必要です。
注1:国家発展改革委員会国家食糧安全中長期計画綱要(2008〜2020年)
注2:中国農業部「全国畜牧業発展第十二次5ヶ年計画(2011〜2015)」
【参考】今回紹介しているレポートの詳細は、機構のホームページでご覧いただけます。
http://lin.alic.go.jp/alic/month/domefore/2011/dec/wrepo01.htm