【alicセミナー】 野菜の機能性や食べ方等に関する新たな見地
最終更新日:2012年7月25日
デザイナーフーズ株式会社 取締役 市野 真理子 氏
平成24年5月15日のalicセミナーにデザイナーフーズ株式会社取締役の市野真理子氏をお招きし、「野菜の機能性や食べ方等に関する新たな見地」をテーマにご講演いただきましたので、その概要を紹介します。
栄養を分子で考える
私たちの体は、毎日の食事で食べたものからできています。
従来、栄養を考えるときにカロリーを中心に考えてきましたが、これからの時代は、食べたものがいかに体の中で代謝されるかという分子で考えた栄養学がとても大切になってきます。
活性酸素と抗酸化物質
食べ物は細胞中のミトコンドリアでエネルギーに変換されます。
しかし、細胞は、活性酸素によって攻撃されて壊れていきます。年を取ると太りやすくなるのは、ミトコンドリアが機能しなくなることが原因です。このミトコンドリアを活性酸素から守るためには、抗酸化力の高い野菜を取ることが大切です。
デザイナーフーズ株式会社では、活性酸素の中の、老化に関係するスーパーオキシド、美容に影響を及ぼす一重項酸素、健康を害するヒドロキシラジカルの3つに対する野菜や果物の抗酸化力のデータを測定し、三角形の面積の大きさで表しています。
いちごやブルーベリーの抗酸化力も高いですが、これ以上に高いのがパプリカです。同じ野菜でも品種によって抗酸化力は異なり、適切な調理方法を用いることや旬の季節に食べることも抗酸化力を高める大きな要素になります。
糖化反応を防ぐには
私たちの体内でたんぱく質に糖が結び付くと、たんぱく質が変性し、異常たんぱく質が生成されます。この反応を糖化反応といい、肌に弾力がなくなるなど体に悪影響を与えます。これを防ぐには血糖値を急激に上げないことが重要となります。
血糖値を急激に上げないために、低GI値の食品を食べることや血糖値を上げやすいものを後に食べるようにすることが大切です。最初に野菜、次にたんぱく質、最後に炭水化物というフルコースのような食べ方をベジタブルファーストといいますが、このような食べ方をすることも効果的です。
食べ方をデザインする
代謝を考えた栄養学では、何を食べないかではなく、何を食べるかという自分で食べ方をデザインする力を身につけることが、健康を維持するキーワードです。
なお、機構ホームページにて当日の資料を掲載しています。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 企画調整部 (担当:広報消費者課)
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