【業務関連情報】「食肉の歴史と豚肉」
最終更新日:2013年9月4日
豊かだった古代の食生活
約1万年前の縄文時代。人類は土器を使用することで煮炊きを覚え、料理のレパートリーが増えたといわれています。この頃の食生活は動物の内臓のほか魚介、海藻、木の実等、実にバラエティーに富んだ食生活を得ていました。
薬猟で守られた食肉
その後、仏教の伝来とともに肉食を忌避する風習が次第に広まります。武士階級は貴重なタンパク源として肉食を「薬猟」として堪能していたようですが、江戸時代になると「鎖国令」が発せられ、「島原の乱」を契機に牛馬のと畜禁止令が幕府の定法となりました。
町人文化とともに外食が普及した江戸後期
町人文化が開花し、食生活も豊かで贅沢になった元禄や文化文政の時代には、自宅でなかなか調理できない食肉が一部の飯屋や飲食店で提供されるようになり、「山くじら」の看板でイノシシ肉、「ももんじ屋」ではイノシシのほかシカ、タヌキ、鶏肉などが楽しまれていました。
「日本三大洋食」の登場
明治5年に明治天皇が初めて牛肉を食され、政府も肉食を奨励するようになると文明開化の象徴として、特に文化人の間で牛肉を使った鍋料理が大流行しました。
さらに、明治時代後期には安価な豚肉を使用した、とんかつ、カレーライス、コロッケが「日本三大洋食」として登場し、ますます食肉が庶民に広まるようになりました。
日本で流通する豚の75%は「三元豚」
世界には数百種の豚が飼育されていますが、日本で肥育され小売されている豚の 75 %は「三元交配種(三元豚)」です。交配することによって、それぞれの長所を受け継ぎ、さらに雑種特有の強健性をもちあわせることができます。
ビタミンB1豊富な豚肉
豚肉はビタミンB 1を豊富に含む食品です。
ビタミンB 1は、糖質のエネルギー代謝に関与しているほか筋肉のエネルギー源であるグリコーゲンを活性化することで、肉体疲労の回復に効果が期待されるビタミンです。
米ヌカや胚芽米、ゴマ、豆などに多く含まれますが、脂肪分を除いた豚肉なら約120gで1日分の所要量1.4 mg ( 18 〜 49 歳男性)を満たすことができます。
ビタミンB 1 は水溶性なのでロールキャベツやカレー、豚汁など汁物で召し上がっていただくと効率的です。
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